4都府県に緊急事態宣言 文科相「一斉休校、要請せず」を確認

新型コロナウイルス感染症が急拡大する中、政府の同感染症対策本部が4月23日夕、首相官邸で開かれ、菅義偉首相は席上、東京、京都、大阪、兵庫の4都府県に緊急事態宣言を出すことを決定した。期間は4月25日から5月11日までの17日間。酒類やカラオケを提供する飲食店、ショッピングセンターなどの大型施設に休業を要請したほか、野球やサッカーを含むイベントは無観客での開催を求めた。これに先立ち、萩生田光一文科相は同日午前、小中高などの学校について「地域一斉の臨時休校を要請することは考えていない」との方針を確認。感染リスクの高い教育活動を一時的に制限するよう求める一方、部活動の大会などの開催は都道府県が判断するものとして「一律に活動を制約する考えはない」と述べた。文科省は緊急事態宣言を受けた学校の対応について近く通知する。

政府が新型コロナウイルス感染症対策で緊急事態宣言を出すのは、昨年4月、今年1月に続き、今回で3回目。政府の対策本部では、4月5日から実施されているまん延防止等重点措置について、宮城、沖縄、埼玉、千葉、神奈川、愛知に、愛媛を新たに加えることも決め、7県が対象となった。5月5日までとされていた宮城と沖縄の対象期間も延長され、7県とも5月11日までとなった。

今回の緊急事態宣言の狙いについて、菅首相は対策本部の席上、「ゴールデンウィークの短期集中対策として、飲食の対策を強化するとともに、いったん人の流れを止めるための強力な措置を講じるもの」と説明。その内容について「飲食店において、酒類の提供やカラオケの停止を要請する。デパートやテーマパークなどの休業と、イベントやスポーツは原則、無観客を要請する。テレワークや休暇により出勤者の7割減を目指す」と要約した。

緊急事態宣言に基づく政府の基本的対処方針は、▽酒やカラオケ設備を提供する飲食店などに休業要請を行う▽酒やカラオケを提供しない飲食店には営業時間の午後8時までの短縮を要請▽路上や公園での集団での飲酒をしないよう注意喚起する▽ショッピングセンターなど床面積1000平方メートル超の施設に休業要請▽公立施設の閉館や閉園▽イベントは、プロ野球やJリーグなども含め、原則として無観客での開催を要請▽鉄道など公共交通機関に対して、平日の終電繰り上げ、週末や休日の減便を要請--など。

こうした感染症対策を打ち出した理由について、西村康稔・経済再生担当相は4月23日午前、専門家で構成する分科会の席上、「これまで以上の強い措置をとらないと、感染力の強い変異株を抑えられないという極めて強い危機感を持っている。短期集中的な取り組みによって、何としても感染拡大を抑え込んでいきたい」と述べ、理解を求めた。

緊急事態宣言と学校の対応について説明する萩生田文科相

一方、萩生田文科相は同日午前の閣議後会見で、緊急事態宣言の対象となる4都府県の学校現場について、「文科省から地域一斉の臨時休校を要請することは考えていない」と、一斉休校を要請しない方針を確認。「臨時休校は地域の感染状況を踏まえ、学校設置者が判断するもの。地域一斉の臨時休校については学びの保障や子供たちの心身への影響、また子供を持つ医療従事者が仕事を休まざるを得ないなどの観点も考慮する必要があるため、真に必要な場合に限定し、慎重に判断すべきものと考えている」と、従来の見解を改めて説明した。

その上で、全国の学校設置者である自治体に対し、「地域の感染レベルに応じた感染症対策が適切にとられているか、全ての地域において改めて確認の上、徹底してほしい」と感染症対策の点検を改めて要請した。

緊急事態宣言の対象となった4都府県の学校現場に対しては「緊急事態宣言下においても、児童生徒の健やかな学びの保障が重要であることから、感染症対策を徹底していただいた上で、学習の継続を図ってほしい」と述べ、学びの保障の重要性を強調。同時に「感染リスクの高い教育活動を一時的に制限するなど、感染症対策のさらなる徹底を図ってほしい」と求め、政府の基本的対処方針を踏まえた対応策を文科省が近く通知する考えを示した。

部活動の大会などの開催については「対象の都道府県でお考えいただくことになる。特に高校生は春のさまざまな地方大会がスポーツ、文化とともにスタートしてしまっており、準決勝で終わりというわけにもいかないと思う。そこは感染拡大に配慮しながら、ぜひ現場で考えてほしい」と述べた上で、文科省として「一律に活動を制約することは考えていない」と説明した。

また、部活動の大会が中止になった場合、その大会の成果がないことで大学入学志願者が総合型選抜や学校推薦型選抜で不利になることがないよう、昨年度と同じく、大学側に配慮を求める考えを示した。

大学の授業については「対面とオンラインのハイブリッドで進めてほしい。大学は知恵を絞って工夫をして、学生の学習に支障がないような対応を考えていただくことがいまは大事だと思う」と述べた。


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