【デジタル教科書】先進校で詳細調査 事例集も作成

GIGAスクール構想による1人1台端末の普及を踏まえ、本格導入が検討されている学習者用デジタル教科書について、文科省の検討会議は4月26日、今年度に実施を予定している実証研究に関する議論を行った。同省は今年度、全国の4~5割に相当する学校の小学校5・6年生、中学校全学年を対象に1教科分のデジタル教科書を提供して、全国的な実証研究を行う予定だが、それとは別に、すでに実績のある10校程度を対象に詳細な実証研究を行い、教員の授業実践に役立つ事例集、研修動画を作成する。

この実証研究では、ICT機器を使用した授業の実績がある学校を対象として、学習者用デジタル教科書を使用した授業を行い、教員・児童生徒・保護者を対象としたアンケートとヒアリング、テストや評価などの分析を行う。

着目する観点は、学習指導要領での資質・能力の3つの柱に関する効果・影響、発達段階や教科特性による違い、健康面への影響、授業改善や教師の負担軽減など。学年・教科を限定する全国的な実証研究とは異なり、より多様な学年・教科で実証研究を行うことを想定しており、学年や教科ごとの効果的な使い方を検証できるようにする。

これらの学校の協力の下、学習者用デジタル教科書の一般的な活用方法や留意点、教科ごとの効果的な活用などに関する研修動画と解説資料を作成、周知する。

26日の検討会議では、委員から「特別な支援を必要とする児童生徒を対象とする場合、障害の特性による違いも考慮してほしい」「健康面への影響を考える上では、学習活動の中でデジタル教科書をどれだけ使うのかが分かると有益」「ログインなど準備にどれほど負担があるかを明らかにするべき」「家庭に持ち帰った時の検証ができるとよい」などの意見が出た。

文科省は今年度、小学校5・6年生、中学校全学年を対象とした全国的な実証研究に20億円を計上し、すでにデジタル教科書の提供に向けた準備を進めている。また、10校程度の先進校での詳細な調査には6000万円の予算を計上しており、これから実際の調査を担う業務委託先の選定を進めるとしている。

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