「ヤングケアラーの人生は18歳以降も続く」 課題など報告

家族の介護などを担っているヤングケアラーの子供たちの支援策を検討している、厚労省と文科省の連携プロジェクトチーム(PT)は4月26日、第3回会合を開き、ヤングケアラーの当事者団体やスクールソーシャルワーカー(SSW)からヒアリングを行い、ヤングケアラーの顕在化されにくい困難さや支援に向けた学校の役割などを議論した。

ヒアリングではまず、ヤングケアラーのコミュニティーづくりの支援をする企業を立ち上げた宮﨑成悟さんと、精神疾患の親がいる子供同士による交流の場「こどもぴあ」を運営する社会福祉士・精神保健福祉士の坂本拓さんらが、自身の経験や関わりのあるヤングケアラーの声を踏まえ、ヤングケアラーが抱える固有の課題について報告した。

難病を患う母親の介護を、中学3年生のころから社会に出るまで続けてきた宮﨑さんは、母親の介護そのものは嫌だとは思わなかったが、介護のために大学受験を一度諦めたり、大学進学後も思うように単位を取れなかったりしたことを紹介。

「ヤングケアラーの人生は18歳以降も続いていく。ライフステージごとに悩みや課題は違う。高校生までは学校がヤングケアラーを発見して福祉や相談先につなげること、18歳以上では、当事者同士のつながりをつくることが必要だ。就業場面でも、介護をしている若い人に対する理解が広がってほしい」と訴えた。

坂本さんは、精神疾患の親がいる子供の場合、親の話相手をするなどの感情面のケアを担うことが多く、精神疾患のことを隠したり、うまく説明できなかったりするために、孤立しやすくなると指摘。

「子供の感情を受け止めてくれる大人と出会う場が必要だ。子供にとってそれは学校だと思う。学校で家庭のことを相談できたり、ただ話を聞いてくれたりするだけでも負担を減らすことができるし、大人になったときに相談できるようになるための練習にもなる」と話した。

また、SSWの立場から幼い弟や妹の世話をしている子供たちの現状を伝えた、兵庫県尼崎市教委学校教育部こども教育支援課の黒光さおりさんは、そうした子供たちは一見すると「家族思いのしっかりした子」と見えてしまうため、周囲から支援の必要性が認識されにくいという問題を挙げた。

「学校の教員は忙しすぎるので、困り感が表に出ていないと支援の必要性に気付きにくい。しかし、いったん『この子は支援が必要』と教員が判断すれば必ず助けてくれる。そのためにも教員に対して、ヤングケアラーについて理解してもらう研修が必要だ。SSWが各学校に行くのは週に1回程度でしかなく、予防的な対応まで考えれば最低でも週2回は確保したい。SSWのスキルアップや育成も力を入れていかないといけない」と、教員研修やSSWの配置が不十分な現状を指摘した。

PTは、5月に開く予定の次回会合で取りまとめ案を検討する方針。


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