児童生徒の自殺統計原票など導入を 議員の会が緊急要望

超党派の国会議員でつくる「自殺対策を推進する議員の会」(会長・尾辻秀久参院議員)の尾辻会長らは4月27日、文科省を訪れ、児童生徒の自殺の実態を把握するため、自殺の要因を記録する自殺統計原票を導入するなど、実効性の高い対策に厚労省と連携して取り組むよう求める緊急要望書を、萩生田光一文科相に渡した。

萩生田文科相(左から3人目)に緊急要望を行う「自殺対策を推進する議員の会」のメンバー

緊急要望書では、児童生徒の自殺が過去最多に上りながらも、現状では自殺の実態を十分に把握する仕組みがないとして、自殺の要因などを記録する自殺統計原票を導入し、調査研究機関と協力して継続的に分析する仕組みを作って、実効性の高い対策を強化するよう求めている。

また、自殺リスクを抱えた児童生徒を包括的に支援できるように、各都道府県に「子どもの自殺危機対応チーム(仮称)」を設置して、学校や保健所、児童相談所による連携を地域ごとに促進することや、ITを活用して児童生徒の自殺リスクを早期に察知し支援できるツールの、全国の学校への整備なども求めている。

議員の会では、昨年から今年3月にかけて厚労省に3回、「コロナ禍における自殺総合対策」の強化に関する緊急要望を行ってきたが、子供の自殺などが突出して増えていることから、教育現場での取り組みの推進が必要との考えで初めて文科相に直接、要望したという。

文科相との面会後、議員の会のメンバーは「児童生徒の自殺は対前年比で25%増加という非常に深刻な事態で、今までの対策の延長線上ではだめだろうとの思いがある。実態を把握して原因を分析し、政策に生かしていくことが必要だ」と強調した。萩生田文科相は申し入れに対し、「要望を重く受け止め、今後の対応について積極的に検討したい」と述べたという。

警察庁が今年3月に公表した昨年の自殺に関する確定値によると、小学生から高校生の自殺者数は前年より100人増の499人に上り、統計を取り始めた1980年以来、最多となった。児童生徒と学生をそれぞれ見ると、▽小学生 14人(前年比6人増)▽中学生 146人(同32人増)▽高校生 339人(同60人増)▽大学生 415人(同25人増)▽専修学校生など 125人(同26人増)――で、どの校種でも増加している。

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