学校現場の感染者数 児童生徒1万7570人、教職員2382人

学校関係者における新型コロナウイルスの感染状況は、学校が本格的に再開した昨年6月から今年4月15日までに、児童生徒は1万7570人、教職員は2382人となったことが4月28日、文科省が公表した衛生管理マニュアルの改訂版で分かった。児童生徒の新規感染者は、全国的な感染者の増加に合わせて、1月上中旬にピークを迎え、その後減少したが、3月下旬から4月にかけて再び増加傾向になっている。変異株による児童生徒の感染状況について、文科省では「従来株と比較すると、変異株の子供への感染力は強い可能性がある」としながらも、「現段階では、15歳未満で明らかな感染拡大の傾向は見られない」との専門家の評価を示している。

調査結果は、文科省に都道府県教委などから報告があった児童生徒と教職員の新規感染者数を集計したもの。児童生徒の感染者は1週間当たり1月4~10日に1882人、同11~17日に1897人の新規感染が確認され、急増した=グラフ参照

感染経路を昨年6月から今年4月15日までの累計で見ると、「家庭内感染」が小学生で78%(1月末時点は79%)、中学生で64%(同63%)と高い割合になっている。高校生では「家庭内感染」が34%(同33%)、「感染経路不明」が33%(同33%)と高いが、「学校内感染」も24%(同25%)を占めている。1月上中旬に一気に児童生徒の感染が増えたのは、年末年始の行事などを通して家庭内で感染したケースが多かったことが分かる。

教職員は「感染経路不明」が55%(同55%)と最も多く、「家庭内感染」が24%(同24%)、「学校内感染」が12%(同12%)、「家庭・学校以外の活動・交流等」が9%(同10%)と続いた。

児童生徒の感染者のうち症状があったのは、累計で8778人と全体の50%を占めた。重症者はいなかった。また、教職員の感染者で症状があったのは1823人と全体の77%に上り、重症者は7人だった。

同一の学校で5人以上の感染者が確認されたクラスターの事例は319件(今年1月末時点は236件)と一気に増えた。学校種別にみると、小学校53件(同37件)、中学校49件(同34件)、高校207件(同159件)、特別支援学校10件(同6件)。10人以上の感染者が確認した事例を分析したところ、これまでと同じく、高校でクラスターが発生する割合が高く、感染の場面は部活動が関連する事例が多かった。このため、文科省は、高校生に対する基本的な感染症対策の徹底と、部活動での十分な配慮を改めて求めた。

また、感染力が強いとされる変異株について、衛生管理マニュアルでは、「大人と比較して特に子供が感染しやすいという証拠は現時点では得られていない」と説明。「変異株が子供により重い症状を引き起こす可能性を示す証拠もこれまでに得られていない」とする日本小児科学会の見解や、「現段階では、15歳未満で明らかな感染拡大の傾向は見られない」とする厚労省の専門家によるアドバイザリーボードの評価・分析を紹介。

一方で、「子供への罹患(りかん)率が低いとされていた従来株と比較すると、変異株の子供への感染力は強い可能性がある」として、「児童生徒への影響については引き続き注視していく必要がある」と注意を喚起した。

こうした変異株への対策としては「従来株と同様に、『3つの密』の回避、マスクの着用、手洗いなど基本的な感染症対策が推奨されている」との見解を示している。

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