わいせつ教員根絶へ野党に法案説明 今国会中に成立へ

わいせつ行為を行った教員を再び教壇に立たせないための法整備を検討している「与党わいせつ教員根絶立法検討ワーキングチーム(WT)」は4月28日、WTでまとめた議員立法「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律案」の野党への説明会を開き、協力を求めた。今国会中の法案成立を目指す方向で与野党の認識は一致しており、与党は大型連休明けに野党の合意を得て法案を提出し、来月20日ごろに衆院を通過させ、今国会中の成立を目指したいとしている。

わいせつ教員根絶に向けた法案の野党への説明会

野党への説明会では、冒頭、WT共同座長の馳浩衆院議員(元文科相、自民)が「わいせつ教員の問題がいかに深刻な問題であるか、文科委員会で議論してきた。このことを踏まえて協力をお願いしたい」と述べ、同じくWT共同座長の浮島智子衆院議員(元文科副大臣、公明)が「教員免許を持った方のわいせつ行為を絶対に許してはならないとの観点で、議論を深めてきた。与野党ともに子供たちを守る観点から、今国会で成立させたい」と協力を求めた。

WTがまとめた法案は5章23条から成り、総則で目的について「児童生徒性暴力等の禁止について定めるとともに、教育職員等による性暴力等の防止等に関し、基本理念を定め、国等の責務を明らかにし、児童生徒等の権利利益の擁護に資すること」などと明示。条文では、児童生徒への性暴力等で教員免許を失効した者について、「免許を授与するのが適当と認められる場合に限り、再び免許を授与できる」としているが、都道府県教育職員免許再授与審査会の意見聴取が必要であることなどを定め、事実上、再び教壇に立つことがない運用を目指している。

また、国が児童生徒への性暴力等で免許を失った者に関する詳しいデータベースを整備し、都道府県教委は失効者の情報を迅速に登録することなどを求めている。さらに性暴力の早期発見のために、教職員などは児童生徒からの相談を受けたら速やかに学校に通報するなど適切な措置を取り、学校は直ちに学校設置者に通報、犯罪があると認めるときは直ちに警察署に通報することなどを求めている。

会合後に記者会見した馳議員は「法案の内容を説明して、野党の皆さんにも活発にご意見を出していただいた。今後の国会日程もにらみながら、お互いに協力をしていこうという方向で、意思を確認し合った」と述べ、今国会中の成立へ向けて手続きを進める方針を示した。また、同席した立憲民主党の牧義夫議員は「児童生徒を守るという問題意識は確認し合っており、全ての議員が共有するものと思う。今国会中の成立に向けて、条文の吟味を党内で進めたい」と述べた。

与党は党内手続きを進めるとともに、大型連休明けに各党からの合意を得て法案を衆議院に提案し、5月20日前後の衆院通過を目指し、今国会中に成立させたいとしている。

わいせつ教員対策としての法改正を巡っては、萩生田光一文科相が昨年12月、「法制上乗り越えられない課題がある」として今国会での教員免許法の改正は見送ったが、文科省は新たなわいせつ教員対策として、今年2月、都道府県・指定都市教委などが教員の採用にあたり、過去の懲戒免職処分歴を過去40年間まで検索して確認することができる、新たな「官報情報検索ツール」を各教委や学校などに提供し運用を始めた。

また、官報には懲戒免職処分の理由が詳しく記載されないため、わいせつ行為による処分かどうかが分からなかったことから、文科省令である教員免許法施行規則に、懲戒免職処分の際に処分理由を明記する規定を新設し、4月1日からわいせつ行為による処分だったことが分かるように制度を改正した。


ニュースをもっと読む >