オンライン授業の要請巡り混乱 私大団体、文科省に要望

新型コロナウイルスの感染拡大で4都府県に緊急事態宣言が出される中、全国の私立大学でつくる日本私立大学団体連合会(会長・長谷山彰慶應義塾長)が5月6日、コロナ禍における大学のオンライン授業を巡り、国と地方自治体の要請内容に違いがあり、大学現場が混乱しているとして、文科省に対し、地方自治体と方向性を統一して現場を支援してほしいとの要望を行った。

日本私立大学団体連合会は、日本私立大学連盟(125大学加盟)と日本私立大学協会(410大学加盟)の2団体から構成され、6日、事務局担当者が文科省を訪れ、要望書を提出した。

要望書によると、今年度に入って多くの私立大学が授業を全面的にオンラインから対面に戻したり、対面授業の割合を上げたりして授業を始めているが、4月25日に3回目となる緊急事態宣言が出される中、「授業は原則オンラインで」と大学に要請する自治体がある一方、文科省の通知では「様々な工夫のうえ実施する」と対面授業を重視する姿勢が示され、双方の見解の違いから大学現場に混乱が生じている。

こうした状況を踏まえ、要望書では、文科省に対して、大学に要請を行う場合は、国と地方自治体で統一した内容とした上で、学生が安心して対面授業に臨めるよう支援するとともに、大学キャンパスや学生寮でのPCR検査など感染防止対策への公的支援を増やしてほしい、と求めている。

コロナ禍のオンライン授業を巡っては、感染者が増えて東京都や大阪府が特別措置法に基づく「まん延防止等重点措置」の対象に適用される際、小池百合子知事が4月8日、「感染状況を鑑みると、改めてオンライン授業の導入などを各大学に要請したい」と述べたほか、大阪府の吉村洋文知事も14日の定例会見で、大学の授業を「原則としてオンラインでお願いしたい」との方針を示している。

これに対し、萩生田光一文科相は4月9日の閣議後会見で、「各大学で十分な感染対策を講じた上で、対面授業とオンライン授業を効果的に実施するなど、引き続き学生の学修機会の確保と感染対策の徹底の両立を図っていただきたい」などと、オンライン授業を併用しながらも、対面授業を続けるよう求めてきた。

要望を終えた日本私立大学団体連合会の担当者は「特に感染が広がる関西では全面的に対面授業に切り替えようとした矢先に自治体から『原則オンラインで』と言われ、文科省からは『工夫して対面授業を実施』と要請されたことで混乱している。多くのカリキュラムを簡単に切り替えることはできない、との声も寄せられている。変異株による若者への感染の広がりによっては、東京も同じ事態になる恐れもある。文科省にはぜひ、地方と同じ方向性を向いて丁寧に大学現場に説明し、混乱が起きないようサポートしてほしい」と強調した。

一方、要望について文科省高等教育局は「緊急事態宣言下の対応は、各自治体と連絡を取りながら対応しており、食い違いが生じているとは考えていない。ただ、大阪のように感染の広がりで時限的に踏み込んだ措置を取ることはあり得ることであり、現地の状況を考慮して対応に当たってほしい」と話している。また、大学の感染予防策への支援については、「感染状況などをみながら必要な支援策を考えていきたい」と説明している。


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