名古屋市の部活動民間委託 教員1500人の負担を軽減

教員の働き方改革が課題となる中、名古屋市が昨年秋から約半数の小学校で始めた部活動(4年生~6年生)の民間委託によって、約1500人の教員が部活動の指導から離れ、負担が軽減されていたことが同市教委の調査で分かった。部活動に参加する児童へのアンケート調査では「楽しい」という声が多く、児童たちへのプラス効果も確認されたという。同市教委は今年9月から部活動の民間委託を市内全域に広げる方針で、「教員の負担軽減とともに子供たちの教育環境の向上にもつながっており、民間委託の定着に向けて取り組みたい」と話している。

同市では40年以上前から小学校の部活動が盛んに行われてきたが、教員の業務量が増えて負担軽減策が課題となる中、2017年ごろから働き方改革と部活動の両立について議論を開始。その結果、昨年9月から市内16区261校のうち8区133校で部活動の民間委託に踏み切った。

民間委託の導入に伴い、各校はサッカーや軟式野球、合唱などから6種目を選んで1日2種目ずつ週3日の部活動を実施。委託先事業者から派遣された指導員が児童たちの指導に当たっている。指導員の多くは、同市が民間委託に合わせて立ち上げた「人材バンク」に登録された各競技の経験者などで、約1000人が児童たちの指導に当たっている。

部活動に参加したい児童は好きな種目を選んで自由に参加でき、昨年9月からの半年間で延べ約2万4000人が参加。同市教委は児童全体の約6割が参加しているとみており、民間委託の導入前より増えているという。

民間委託で行われている小学校の部活動(名古屋市教委提供)

一方、部活動の民間委託が働き方改革に与える効果について、同市教委が調べたところ、部活動の業務を担当していた教員は市内16区で約2800人いたが、民間委託が導入された昨年9月以降は民間委託を導入した8区で計約1500人が部活動の業務を外れた。部活動を担当する教員は、平均すると1日2時間、週3日で月間約24時間を費やしており、部活動業務を外れた教員は、新型コロナウイルスの感染対策やGIGAスクール構想に関連するICT業務の対応などに当たることができた、と説明している。

さらに、部活動に参加する子供たちからも、民間委託の評価は良好だという。民間委託が導入された8区の小学校から計8校を抽出して、「楽しい」「普通」「楽しくない」など5段階で満足度を評価するアンケート調査を行ったところ、平均4.5の高評価となり、子供たちの満足度が高いことが分かった。「いろんな種目を経験できて楽しい」などの意見が寄せられたという。

こうした成果を受けて、同市は今年9月中には民間委託を市内全域に広げる方針を固め、準備を進めている。同市教委生涯学習課は「働き方改革につながるだけでなく、部活動から離れた教員が授業の準備に時間を掛けられるなど、子供たちの教育環境の向上にもつながっている。子供たちの部活動の機会もしっかり確保しながら、教員の働き方改革を進めていきたい」と話している。

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