生徒と教員が参画する校則の見直し 高校生と教員が議論

校則をはじめとする学校のルールづくりへの生徒参加を求めている日本若者協議会(室橋祐貴代表理事)は5月9日、オンラインシンポジウムを開いた。生徒会活動を通じて制服や校則の見直しを働き掛けてきた高校生と、勤務校での校則の見直しに取り組んでいる教員が、これからの学校におけるルールメイキングの視点について意見交換した。

同協議会では、昨年8月に高校生や生徒会活動を経験した大学生で構成される「学校内民主主義を考える検討会議」を立ち上げ、有識者へのヒアリングや生徒・教員へのアンケートなどを基に提言をまとめ、今年1月に文科省に提出。提言では▽校則の改正プロセスの明文化を求める通知の発出▽主権者教育の手法に学校運営への生徒参加を含めること▽学校運営協議会(コミュニティ・スクール)への生徒参加▽教職員の働き方の改善――などを求めた。

検討会議座長の東京大学教育学部附属中等教育学校6年生の藤田星流(せいる)さんは、同校が2000年度から設置している、生徒、教職員、保護者が参加する「三者協議会」において、制服の在り方を話し合い、昨年度から式典の場などを除いて制服の自由化を実現した経緯を紹介。
校則を見直す際には「生徒対教員の構図にしないことが重要だ。三者協議会で議論していくと、教員も生徒も一枚岩ではないことが分かる。生徒の声を聞くことも大事だが、学校で働いている教員の声を聞くのも大事だ。話し合いの場をできるだけ多く設けて、お互いの意見を尊重して、より良い学校にしていければいいと思う」と強調した。
また、米国の公立高校に留学した際に、日本の学校とのギャップの大きさに衝撃を受けたという都内の私立高校3年生で、生徒会長を務める細井柚季さんは、現在在籍している高校で、性別に関係なくスカートとスラックスを選択できるようにする取り組みについて話した。
細井さんは「例えば女子生徒がスラックスを選んだというだけで、LGBTQをカミングアウトしていると捉えられてしまう現状がある。多様性が重要視されている今、LGBTQだけでなく、いろいろな人がいて、いろいろな服を着ることができるようにするのが、令和の学校なのではないか」と日本の学校文化の課題を指摘した。

こうした高校生の問題提起に対して、勤務校で服装に関する校則を見直してきた公立中学校の教員は「教員がとにかく多忙で、現状の校則に問題を感じていても『きっと誰かがやってくれる』と思っているから、なかなか変わらない。自分自身で組織を変えるんだという当事者意識が弱い。普段の授業も含めて、生徒に任していくことを教員は覚えないといけない」と、教員側の働き方や意識を変えていく必要性を挙げた。

昨年度、生徒や保護者が参加しての校則の見直しを主導した、別の公立中学校の教員は「生徒が主体的に取り組んでくれたことは大きかった。校則改正後、全く混乱はない。今後、私が異動した後もこの動きを継続していくためにも、コミュニティ・スクールに生徒と教員と保護者、そして地域が入ることを定着させないといけないと思う。そうすれば校則が必要以上に厳しくなることもないし、みんな納得して学校生活を送ることができる」と提案した。


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