「STEAM教育=ワクワク」 中島さち子氏らが鼎談

STEAM教育の本質について語り合うオンライントークセッションが、新渡戸文化学園主催でこのほど開催された。ゲストにSTEAM教育者で大阪・関西万博テーマ事業プロデューサーも務める中島さち子氏と、新渡戸文化小学校ICTデザイナーの海老沢穰氏、同学園内のVIVISTOP NITOBEチーフクルーの山内佑輔教諭が登壇。同学園の平岩国泰理事長がモデレーターを務めた。

右上から時計回りに中島氏、海老沢氏、山内教諭、平岩理事長

中島氏はSTEAM教育について、「次なるお勉強のように捉えられているが、STEAM教育の本質はPlayful。つまり、ワクワク、ドキドキして、本気で自分たちで問いを立て、何か形にしようと試行錯誤していくこと」と強調した。

この「STEAM教育の本質はPlayful」という考えに、海老沢氏と山内教諭も賛同。この3月まで都内の特別支援学校でICTを活用した実践を重ねてきた海老沢氏は、「例えばICTを取り入れるにしても、どれだけワクワクして使えるかということが大切。ただゲームをやるのではなく、ゲームをつくっていく方に向かっていくことが、これからの学びではないか」と述べ、「大人がきっかけさえ設定できれば、子供たちはワクワクしながら学んでいける」とアドバイスした。

同学園内にあるクリエイティブラーニングスペース「VIVISTOP」で、図工・美術を教える山内教諭は、昨年に小学5年生と取り組んだオリジナルの椅子作りの実践を紹介。「このプロジェクトでは、社会科と連動して林業を学んだり、国語科と連動して林業に関わる人にインタビューしたりするなど、自然と教科横断的な学びになった」と振り返った。さらに、「大人が子供に教えるのではなく、共に学ぶことや、実社会と密接に連携・協働することを意識している」と、自らの実践について語った。

日本におけるSTEAM教育の現状の課題について、中島氏は海外と比較しながら「日本は正解を求めすぎてしまうところが大きい。『正しいSTEAM教育を勉強しなきゃ』ではなく、STEAMに正解なんてないのだから、ワクワクするところに利用すればいいだけ」と、肩の力を抜いて取り組むよう助言した。

また、STEAM教育に苦手意識をもつ教員をどのように巻き込んでいくかについて、海老沢氏は「子供たちの反応がいいと、教員も変わる。まず子供たちがワクワクしている姿を見せるといいのではないか。何より、大人も一緒に楽しむというマインドを持つことが大切」と話した。

最後に、中島氏は「日本は深掘りして学ぶことには長けている。そして基礎リテラシーも高い。これからSTEAM教育など、教科横断的な学びや、社会とつながる学び、問いを作り出すことに慣れてきたら、きっと日本からも面白いものがたくさん出てくるのではないか」と展望を語った。


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