全国学力調査、緊急事態宣言下でも予定通り実施 文科相

5月27日に実施が予定されている今年度の全国学力・学習状況調査(全国学力調査)について、萩生田光一文科相は11日の閣議後会見で、31日まで緊急事態宣言の対象となっている6都府県も含め、予定通り全国で実施する考えを示した。また、クラスター(集団感染)の発生など「合理的な理由」がある場合には、6月30日までに事後的に調査を行う「後日実施」を活用するよう促した。

記者会見で質疑に応じる萩生田文科相

政府が緊急事態宣言の期間延長を決めたことで、対象地域となっている東京都、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県の6都府県では、宣言継続中の5月27日に全国学力調査が実施される異例の事態となる。

これについて、萩生田文科相は「(緊急事態宣言下であっても)学校においては、感染症対策を徹底しつつ、教育活動が継続的に行われている。また、コロナ禍における児童生徒の学力・学習状況を把握するという調査の重要性などに鑑み、予定通り実施したい」と述べた。

全国学力調査は昨年4月、新型コロナウイルスの感染拡大による全国一斉休校のため、予定していた調査が中止された。今年度もコロナ禍での実施となることから、文科省では、学校でクラスターの発生など不測の事態が起きた場合に備え、調査日に実施できない学校が事後的に調査を行う「後日実施」の期間を例年の2週間から約1カ月間延長し、6月30日まで実施可能としており、都道府県などの教育委員会にすでに通知している。

萩生田文科相は「嫌だと言ってやめていいわけにはいかないが、合理的な理由があって、この学校については見送りたいという、きちんとした了解が教育委員会と校長の間であれば、例外的に認めて後日実施を活用してほしい」と説明。「定点観測をしっかりしていくことが大事だと思っている。予定通りやらせていただきたい」と理解を求めた。

今年度の全国学力調査では、小学6年生と中学3年生を対象に悉皆(しっかい)調査で行う本体調査は、国語、算数・数学の2教科。

同時に、昨年度実施予定だった経年変化分析調査と保護者に関する調査について、小学校約600校、中学校約750校を対象とする抽出調査で行う。経年変化分析調査は3年に1度行われており、今回から従来の国語、算数・数学に加え、新たに中学校英語も対象とする。保護者に関する調査は、経年変化分析調査を受けた児童生徒の保護者を対象に実施。家庭の社会経済的背景(SES)と学力の関係について継続的な調査分析を行うもので、家庭環境による教育格差の実態を示す有力なエビデンスになることが期待されている。

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