成年年齢引き下げまで1年 「浸透不十分」と指摘

消費者庁は5月10日、消費者教育推進会議の第29回会合を開き、デジタルサービスに対応した消費者教育の対策や、1年後に迫った18歳への成年年齢引き下げに伴う、消費者教育の取り組みについて協議した。今年度に消費者庁、文科省、法務省、金融庁が連携して、消費者教育の実施に向けた働き掛けを強化する「成年年齢引下げに伴う消費者教育全力キャンペーン」なども含め、委員からは当事者や学校の教員への浸透が不十分との指摘が出た。

オンラインで開催された消費者教育推進会議

推進会議では、昨年10月に開いた前回会合で、コロナ禍で需要が増加したインターネット上の取引やキャッシュレスサービスなどのデジタルサービスに対応した消費者教育の在り方について議論する分科会を設置しており、この日の会合では、分科会の取りまとめについて意見交換した。

取りまとめでは、消費者教育として重点化すべき内容として▽デジタルサービスの仕組みやリスクの理解▽批判的思考力に基づく的確な判断▽デジタル技術を活用した情報の収集・発信――の3点を挙げ、仕組みを理解した上で適切に判断し、活用していくことの重要性を強調。

特に高校生や若者では、成年年齢の18歳への引き下げで、未成年を理由に契約を取り消すことができる未成年取消権も引き下げられることから、慎重に契約を行う必要性や、クレジット決済などを踏まえた支出管理などを意識的に学ぶ機会が重要だとした。

また会合では、成年年齢の引き下げまで1年を切った今年度に、「成年年齢引下げに伴う消費者教育全力キャンペーン」として、関係する4省庁が消費者教育の実施についての呼び掛けやコンテンツを拡充する方針についても報告された。

これについて委員からは「大人も当事者自身も成年年齢引き下げのことを知らない。4省庁でやっているといっても届いているのか。届けるための方策をぜひ工夫してほしい」「キャンペーンをやっていることは、少なくとも学校の教員ならば全員が知っている状態にしないといけないのではないか」など、当事者や関係者への取り組みの周知について厳しい注文が相次いだ。