社会総出でSTEAM教育推進するシステムを 内閣府懇談会

STEAM教育を通じた児童生徒の探究力の育成などについて議論する「総合科学技術・イノベーション会議有識者議員懇談会」が5月13日、内閣府で開かれた。メンバーの藤井輝夫東京大学総長がSTEAM教育の必要性を述べるとともに、産業界も含め社会総出で推進していくシステムづくりが必要だと訴えた。内閣府は7月に中教審メンバーも含めた新たな検討の場を設置し、初等中等教育段階のSTEAM教育の具体策について本格的な議論を進める。

STEAM教育を巡り議論が交わされた懇談会

懇談会では、今年3月に閣議決定された「第6期科学技術・イノベーション基本計画」で、STEAM教育の促進などを検討する場を総合科学技術・イノベーション会議の中に設置することが盛り込まれたことを受けて、今後の論点などについて話し合った。

はじめに藤井総長はSTEAM教育の必要性について、経産省の調査で2030年にIT人材が45万人不足することや、モノを重視する資本集約型社会から高速情報ネットワークを生かした知識集約型社会へと転換が進むことを挙げ、「デザインや芸術も教育に取り入れ、データを集めるだけでなくデータを使いこなせる人材が必要になった」と強調。産業界や教育機関など社会総出でSTEAM教育の推進に向けてプラットフォーム作りなどを進めることが必要だと訴えた。

また、経産省サービス政策課の浅野大介課長は、探究型学習に役立てるためウェブ上に開設した「STEAMライブラリー」を紹介。「実践を教員のコミュニティーで共有する仕掛けを進めるとともに、企業が進んで参画するような仕掛けも考えたい」と述べた。

各有識者はこうした報告を踏まえて意見を述べ、橋本和仁氏(国立研究開発法人物質・材料研究機構理事長)は「STEAM教育を頑張っている先生方にスポットを当てて、さらに頑張ってもらう形が必要。地方創生にもつながると思う」と語った。また、佐藤康博氏(みずほフィナンシャルグループ取締役会長)は「STEAM教育が産業界と強く結び付くことは、産業界の優秀なリーダーをつくることにもつながる。さらにシステマチックなものにできないかと感じた」と話した。

同懇談会では、7月に新たな検討の場を立ち上げる方針。年内に議論を取りまとめ、来年の「統合イノベーション戦略」に反映させたいとしている。

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