学校健診後治療、「未受診」が急増 受診控え影響か

山形県保険医協会が5月10日に公表した調査結果によると、昨年度の学校健診で要受診と診断されたものの、その後に受診していない「未受診」の児童生徒が急増していることが分かった。特に歯科健診や耳鼻科健診で顕著に見られ、未受診率は4割を超えた。

コロナ禍の受診控えが深刻化している影響も伺え、同協会は「将来の学⼒格差、健康格差につながることも懸念される。コロナ禍の今こそ、国や⾃治体、養護教諭、学校医、学校⻭科医との連携を図り、保護者への啓発など対策に乗り出すことが必要」と警鐘を鳴らした。

調査結果によると、各健診の未受診率は▽歯科健診 47.6%(前年度調査比7.0ポイント増)▽眼科健診 40.6%(同16.9ポイント増)▽視力検査 40.0%(同5.3ポイント増)▽耳鼻科健診 41.3%(同5.7ポイント増)▽聴力検査 25.6%(同7.0ポイント増)▽内科健診 39.8%(同13.4ポイント増)――と、全てで前年度を上回った。

学校種別に見て、前年度と比べ未受診率が目立って増加していたのは、小学校では眼科健診の31.6%(同15.9ポイント増)、中学校では内科健診の46.7%(同36.0ポイント増)だった。高校では全体的に未受診率が高い傾向にあり、特に顕著だったのは歯科健診で82.2%(同23.2ポイント増)に上った。

さらに未受診の要因として関連深いものを尋ねたところ(3つまで選択)、多かった順に「子の健康への理解不足」「保護者が共働き」「保護者が子に無関心」「コロナによる受診控え」――などが挙がった。

コロナ禍の児童生徒への影響については、「肥満の児童生徒の増加」「視力低下の児童生徒の増加」「保健室登校の児童生徒の増加」――などが多く指摘された。

具体的な事例では、「本校は2019年度まで視力異常が少なかったが、3~5月の臨時休校後、一気に増加し、眼鏡をかけなければならない児童が多くなった。やはり休業中、家の中でテレビやゲームをして過ごすことが多かったことが要因と考えている」(小学校)、「20年度は例年と違い水泳の学習がなかったこともあり、耳鼻科や眼科の受診を強力に推し進める切り札がなかった」(小学校)、「感染予防のため、保健室利用に制限が設けられ、用のない人は行ってはいけない所になった。心の健康が軽視されている状況」(小学校)、「高1の視力低下が目立った。受験勉強とコロナによる室内で過ごすこと、視力低下に気付きにくい状況でもあった」(高校)などが報告された。

同調査は2月から3月にかけて実施し、山形県内の全小中高など412校のうち149校が20年度の状況を回答した。今回で2回目となる。


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