【35人学級】非正規教員割合に基準設定へ 地域差大きく

小学校全学年での35人学級を段階的に実現するにあたり、文科省は5月17日、公立学校の運営を担う地方自治体との間で、初回の協議の場を開いた。計画的な定数改善に向け、萩生田光一文科相は▽教職員定数の適切な配置▽質の高い教員確保の取り組み▽外部人材の活用▽少人数学級の効果検証▽教室の環境整備――といった課題について、協議を通して解決を目指す姿勢を示した。とりわけ、非正規教員の割合が高い自治体に対して「非正規教員は定数の何割程度までが望ましい、といったスタンダードを共有したい」と、協議の中で目安となる割合を検討していく方針を明らかにした。

質の高い教員確保に向け、正規教員の計画的な配置を進めるとした萩生田文科相

萩生田文科相は質の高い教員確保について「各教育委員会では今後5年間の定数改善に加えて、退職者数の見通しや、児童生徒数の減少に伴う自然減などを踏まえ、見通しを立てて計画的に教員採用を行っていくこととなる。他方で、近年の教員採用倍率の低下や、年度当初に学級担任が不足し、教頭が対応するなど教師不足に関して厳しい状況も生じている」と説明した。

とりわけ正規教員の確保については、国会での義務標準法改正の審議の中で「非正規雇用の解消を図るべき」といった指摘があったことを踏まえ、「将来的な児童生徒数の減少等も考慮すれば、臨時的任用教員を全て正規教員とすることは難しいとしても、自治体間で正規教員と非正規教員の割合に大きな差が生じており、病休者や育児休業者の代替教員が不足する要因にもなっていると考えられる」との問題意識を示した。

協議の場で提示された文科省の資料によれば、教員定数の標準を100%とした場合、配置されている正規教員・臨時的任用教員・非常勤講師などの数は全国合計で101.7%となる。標準(100%)を超える部分は自治体が独自に予算を確保しており、内訳は正規教員92.9%、臨時的任用教員7.5%、非常勤講師等1.3%(常勤1人当たり勤務時間に換算)。

一方で非正規教員の割合は自治体間の差が大きく、臨時的任用教員の割合は東京都で0.5%、北海道、愛媛県、名古屋市で1~2%台と低い一方、沖縄県で16.4%、奈良県で15.4%、さいたま市で13.2%などと高くなっている。萩生田文科相は「教師の確保に尽力されている地方公共団体の実情を踏まえながら、正規教員の配置状況の計画的な改善方策の検討を進めていきたい」と述べた。

また、会合後に記者会見した文科省の初等中等教育局財務課の森友浩史課長によれば、地方団体からは、GIGAスクール構想での個に応じた指導や、多様な子供への対応など必要な加配定数を維持するよう求める声があったという。

萩生田文科相は「個々の教育課題に応じた加配定数は、引き続き確保していく必要がある。必要な加配定数を確保していくためにも、適切とは言いがたい配置実態など見直すべきところは見直した上で、加配定数のより一層効果的な活用を検証し、その取り組みを促進していく必要がある」と述べた。

さらに改正義務標準法の附則で求められている少人数学級の効果検証について今後、効果を測定する指標を検討するとしている。萩生田文科相は「テストの点数のみに偏ることなく、いわゆる非認知能力や教師の負担軽減など、さまざまな観点から検証し、中学校の35人学級はもちろんのこと、小中学校の30人学級の実現につなげていきたいと考えている」と意欲を見せた。


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