5歳時点での自閉症累積発生率 日本は2.75%、地域で差も

発達障害の一つである自閉スペクトラム症(ASD)の累積発生率は、日本では5歳の時点で2.75%であることが、信州大学の研究グループが行った大規模疫学調査で、このほど明らかとなった。累積発生率は都道府県によってかなり幅があった。同研究グループでは、日本は世界的に見てもASDの累積発生率が高いものの、医療や支援へのアクセスの差が、地域間の累積発生率のばらつきを生んでいる可能性があるとみている。

同学医学部の篠山大明准教授、本田秀夫教授らの研究グループは、全国の診療データベースを用いて、2009~16年度に出生し、09~19年度にASDと診断された子供の割合を調べた。その結果、09~16年度に出生した子供のうち、男児23万6386人、女児7万6967人が09~19年度の間にASDと診断されていた。

09~14年度に出生した子供の5歳時点でのASDの累積発生率は2.75%だった。5歳時点でのASDの累積発生率は、09年度生まれの子供の場合は2.23%、14年度生まれの子供の場合は3.26%で、年々増加傾向にあった。

また、都道府県別の5歳時点でのASDの累積発生率は0.9~7.9%(中央値2.4%)と差があった。

同研究グループによると、日本のASDの累積発生率は世界的に見ても高いことがこの調査で明らかとなり、全国的な増加傾向には、近年のASDの認知度の高まりが影響していると指摘。地域差が大きいことは、医療や支援へのアクセスの違いなどの要因も影響している可能性があるとしている。

研究成果は5月4日付の医学専門誌『JAMA Network Open』にオンライン掲載された。


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