学校保健医に加え専門職も 引きこもり防止で提言

引きこもり対策を検討している自民党の「いわゆる『ひきこもり』の社会参画を考えるPT」(座長・馳浩元文科相)は5月19日、萩生田光一文科相に、引きこもり支援策の推進を求める提言を提出した。特に若年層の引きこもりについては、不登校やいじめがきっかけになる場合も多いとして、学校保健医だけでなく精神保健福祉士なども加わってカウンセリング体制を充実させるなど、長期的な視点も見据えた支援策の推進を求めた。

萩生田文科相(中央)に要望書を提出した自民党PTのメンバー

提言では、引きこもり問題について、80代で年金生活を送る親が50代の子と同居する「8050世帯」や、コロナ禍で不安感や孤独感を深める人が増える中、「社会全体で取り組むべき課題」と捉えて施策を進めるべきと指摘。特に過去に目を向けると、不登校やいじめの経験など多様な背景があるとして、当事者や家族に寄り添った支援を推進すべきだとしている。

その上で文科省に関連する具体的な施策としては、▽不登校・いじめ・虐待対策の推進▽学校での心理専門職による、心の健康相談の充実▽引きこもり状態の児童生徒へのフリースクールなど、民間と連携したアウトリーチ的支援の充実――などの取り組みを求めた。

文科相との面会を終えた馳座長は「早い段階で心身の不調について専門の医師に診てもらえれば適切な治療を受けられるが、日本では10代の精神科の受診率は極めて低い。学校保健医の中に精神保健福祉士など専門性を持った方がいれば親も安心できるので、そういった対応も必要でないかと文科相と意見を交わした」と述べた。これに対し萩生田文科相は「引きこもりの出発点が何であるかを踏まえ、その人に合った居場所を見つけ、社会参画につながるような施策に取り組みたい」などと話したという。

馳座長らは菅義偉首相や坂本哲志孤独・孤立対策相にも提言を渡しており、今後、関係省庁を横断する形で引きこもり支援の総合的な施策づくりの推進を働き掛けるとともに、来年の通常国会に向けた法整備も検討するとしている。


ニュースをもっと読む >