防球ネット以外も安全点検を 文科省、相次ぐ事故で要請

先月に宮城県や福岡県などで、校舎内外での事故が相次いだことを受け、文科省は5月25日、学校環境における工作物や機器の安全点検を実施し、学校の安全確保に万全を期すよう、全国の教育委員会などに依頼を出した。また、事故の未然防止や発生直後の対応、初期対応、詳細調査、再発防止の手順を示した文科省の「学校事故対応に関する指針」を十分に踏まえていない例が見受けられるとして、適切な対応を行うよう通知した。

文科省が依頼文書で示した点検項目

先月には宮城県白石市の小学校で防球ネットの支柱が倒壊し、児童が死傷する事故が起きた。また同月、福岡県北九州市の中学校では、体育館内のバスケットゴールが落下して生徒が負傷している。宮城県の事故直後の4月28日、文科省は学校設置者に防球ネットの緊急点検を要請したが、今回は改めて他の設備を含めた安全点検を実施するよう依頼した。

点検項目は門扉や塀、バックネット、ポールなど校舎外の設備や、バスケットゴールなど高所に設置された体育器具、教室の上下可動式黒板など。児童生徒の目線や多様な行動も考慮して、目視・触診・打音・振動・負荷・作動など複数の方法を組み合わせて点検する。それが難しい場合は専門的な点検を行い、安全性を確認することとしている。

また、文科省が2016年に通知した「学校事故対応に関する指針」について、「学校、学校の設置者及び地方公共団体の担当部局において、指針に関する理解を一層深めていただく必要がある」として▽事故発生後の基本調査の速やかな実施及び保護者への丁寧な説明▽詳細調査への移行判断と実施▽都道府県教育委員会などの指導・助言及び国への報告――を適切に行うよう求めた。

「学校事故対応に関する指針」に基づく手順

先月28日の防球ネット点検に関する通知に続き、それ以外の設備について改めて点検を求める通知を出した理由を、萩生田光一文科相は「児童生徒の安全に関わるものは極めて重要。そのくらい大事だということを知ってもらおうという意味で、重ねて通知を出させていただいた」と説明した。

また「最初の通知では全国で重く受け止めて、一時的にはちゃんと体制を整えてくれるが、その後、2年も3年も出番がないテーマというのは忘れられてしまって、対応の重みというものがうまく引き継いでいけない実態がある」と指摘。「学校は(異動などで)人が代わっていくが、引き継ぎ項目にきちんと掲げていただいて、将来的にも漏れのないような体制をこの機会に作り直していきたい」と述べた。

今週27日から開催が予定されている中教審の学校安全部会では、「第3次学校安全の推進に関する計画」の策定に向けた検討を行い、その中で「学校事故対応に関する指針」についても議論するとしている。


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