日本語指導の必要な高校生への支援策 検討会議が初会合

増加している外国にルーツのある高校生の支援に向けて、文科省は5月26日、「高等学校における日本語指導の在り方に関する検討会議」の初会合をオンラインで開いた。高校における日本語指導の制度化を視野に、指導体制の整備や教員の専門性の向上などを議論。10月をめどに報告書を取りまとめる。

初会合を開いた高校生の日本語指導の在り方検討会議(YouTubeで取材)

同省によると、公立高校で日本語指導が必要な生徒は2018年に4172人に上り、この10年で2.7倍に増えた。しかし、小中学校で行われている「特別の教育課程」での「取り出しの日本語指導」は高校では行われていないなど、制度的な面で課題がある。また、日本語指導の必要な高校生の中退率や非正規雇用率が顕著に高いなど、キャリア支援も懸案となっている。

これを受けて検討会議では、ヒアリングなどを通じて、「特別な教育課程」の適用を含めた日本語指導の位置付けに関する議論を行う。座長には佐藤郡衛(ぐんえい)明治大学特任教授が選出されたほか、外国にルーツのある子供の支援に取り組む研究者、高校教員らが委員に名を連ねる。

この日の初会合では、委員の角田(つのだ)仁・東京都立町田高校定時制教諭と、千葉県立生浜(おいはま)高校の日本語指導員である仲江千鶴さんが、外国にルーツのある生徒が多く在籍する定時制高校における日本語指導の現状について報告した。

角田教諭は、高校は日本語指導の必要性について、中学校からの情報や生徒との面談などで総合的に判断しているものの、客観的な基準がない状況を指摘。「日本語指導の体制づくりでは、日本語学習だけでなく、居場所づくりや部活動、多文化共生なども必要になる。校内の委員会や分掌の在り方、高い中退率の問題なども、この検討会で議論してほしい」と提案した。

外国にルーツのある生徒向けに開講している「日本語基礎」や、教科の中で日本語を習得する機会を意識的につくるといった生浜高校定時制の取り組みを紹介した仲江さんは、高校側が生徒の家庭の言語環境や学習歴なども把握する必要性を強調。そのために同校では、日本語指導の必要な生徒に対して、教員が個々に「見立てシート」を記入し、校内で共有するようにしているという。

仲江さんは「見立てシートは記入することが目的ではないので、生徒に事情聴取をするような形にならないように気を付けている。埋まらない情報などを知ることで、生徒理解や指導の充実につながる。以前は紙だったので更新に手間が掛かったが、昨年度から電子化したことで閲覧数も伸びた」と成果を話した。


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