2年ぶりに全国学力調査 新学習指導要領やICTなど意識

今年度の全国学力・学習状況調査が5月27日、全国一斉に行われた。昨年度は新型コロナウイルスの感染拡大で中止されたため、実施は2年ぶり。全国で小中学校合わせて約2万9000校が参加した。今回は新学習指導要領の内容を踏まえて、小学校の算数で初めて「データの活用」に関する問題などが出題されたほか、GIGAスクール構想のスタートを受けて、児童生徒への質問紙にICTに関する項目などが盛り込まれた。同調査の結果は8月末に各校に送られ、児童生徒への学習指導や授業改善に活用される。

同調査は、全国の小学6年生と中学3年生の全児童生徒が対象で、国語と算数・数学の教科調査と、生活習慣や学習環境などを尋ねる質問紙調査、学校に対する質問紙調査からなる。参加校数は、小中学校合わせて2万9062校(5月11日時点)で、参加率は前回の2019年度とほぼ同じとなっている。

全国学力・学習状況調査に臨む、千葉県内の小学校の児童ら(代表撮影)

また、今回は初めて、同調査の将来のCBT(コンピューター使用型調査、Computer Based Testing)化をにらんで、児童生徒がきちんと端末で回答できるか調べるため、国立大学附属学校の一部、およそ100校で質問紙調査がオンラインで実施された。

同調査の終了後に記者会見した文科省総合教育政策局の大野彰子調査企画課長は、今回の調査では、特に▽新学習指導要領の内容を踏まえた出題▽コロナ禍の影響を把握分析するため、休校中の学習状況についての調査▽GIGAスクール構想推進を踏まえて、ICTに関する調査項目充実――などを意識したと説明した。

新学習指導要領に基づく出題では、小学校の算数で、初めて「データの活用」に関連して、ある学校図書館の貸し出し冊数を学年や月別に統計的な手法で分析する問題が出題された。また、国語では「資料を活用して自分の話したいことを伝える」との指導内容を踏まえ、女子教育の発展に尽くした津田梅子の業績について発表する児童を題材にして、スピーチの構成内容を問う問題が出題された。

児童生徒への質問紙では、コロナ禍による臨時休校中の勉強への不安や、学校の課題で分からないことがあったときの対応などを尋ね、休校中の学習状況や悩みを把握するための項目を盛り込んだほか、GIGAスクール構想の開始を受けて、ICT機器の使用状況なども聞いた。

大野課長は会見で、「コロナの影響が続く中、各教委や学校関係者の方には感染対策に努めながら、調査実施に協力や尽力をいただいたことに感謝したい。8月末に各教委を通じて各校に結果を送るので、授業の改善や個々の児童生徒への学習指導に役立ててほしい」などと述べた。

一方、今年度は本体調査とは別に、全国的な学力の推移を把握するための「経年変化分析調査」と「保護者に関する調査」も、来月中に小学校約600校、中学校約750校を対象に抽出調査で行われる。この調査は3年に1度程度実施することとされており、今回が3回目となる。

関連記事