ワクチン会場、350大学が対応可能 教員や児童生徒に接種も

新型コロナウイルスのワクチンの接種会場を巡り、文科省は5月28日、全国の国公私立大学にキャンパスなどの施設を提供できるか緊急調査したところ、350校が提供可能と回答したことを明らかにした。萩生田光一文科相は同日の閣議後会見で、早ければ6月半ばから、こうした大学施設での接種開始を目指すとともに、65歳以上の高齢者や65歳以下の基礎疾患がある人を優先した上で、施設を提供する大学の教職員や学生、近隣の幼稚園や小中学校、高校などの教職員や児童生徒へのワクチン接種を検討する考えを表明した。

ワクチン接種を巡る大学への調査結果を説明する萩生田光一文科相

この調査は、全国の国公私立大学に、①すでに各自治体からワクチン接種に関する協力を要請されているか②今後、各大学においてワクチン接種に関する協力が可能かどうか--の2点について聞き取りを行った。

その結果は▽すでに自治体に会場を提供して協力を行っている、あるいは現在協力要請を受けている大学 69大学85キャンパス▽すでに自治体にワクチン接種のための医療スタッフを派遣している、あるいは今後派遣予定の大学 47大学▽今後施設等の活用が可能な大学 350大学497キャンパス--だった。回答はいずれも5月26日時点。

また、大学がすでに自治体に会場を提供して協力を行っている例として、千葉大学が東京都墨田区の要請を受けて5月10日から、千葉大学墨田サテライトキャンパスに接種会場を設置して毎日120人の接種を実施したり、文化学園大学が東京都小平市の要請を受けて5月24日からキャンパスを接種会場として提供し、初日だけで約600人が接種を受けたりしたケースを挙げた。

大学がすでに自治体にワクチン接種のための医療スタッフを派遣している例では、北海道大学が札幌市の要請を受けて、同市白石区の札幌コンベンションセンターに設置された大規模接種会場に毎日10人の医師を派遣したり、東北大学が宮城県や仙台市と連携して医師を毎日最大15人派遣し、全国で初めて大学が実施主体となる接種センターをJR仙台駅前に設置したりしたケースがある。

今後、キャンパスなど施設等の活用が可能な大学について、萩生田文科相は「大学がワクチン接種に協力する場合の責任体制、会場運営の方法、接種者の情報管理、接種事務に係る費用負担などについて、早急に関係省庁と調整を進めたい」と説明。開始時期については「できるならば、前期が終わる6月半ばぐらい。7、8月の夏休み期間を有効に使って加速ができたら一番いいと思っている」と話した。大学の接種会場では、自治体が使っている米ファイザー製ではなく、自衛隊が運営する大規模接種会場で使っている米モデルナ製を活用することを明らかにした。

さらに、自治体における高齢者の接種状況や65歳以下の基礎疾患がある人を優先した上で、「(協力した)大学の教職員や学生に対してもワクチンを接種することが可能かどうか、さらに近隣の大学の関係者、また近隣の幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の教職員や生徒に対しても、ワクチン接種を進めることが可能かどうかなどについて、関係省庁と調整を進めたい」と述べ、児童生徒を含む教育関係者へのワクチン接種にも大学の施設を役立てる考えを示した。


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