こども庁「課題解決のプラットフォーム」に 自民議員有志

「こども庁」の創設を目指している自民党の議員有志は5月28日、「こども庁創設に向けた第2次提言」を取りまとめた。提言では、こども庁を「子供課題解決のプラットフォーム」と位置付け、現状の課題となっている担当府省庁の壁、地方と国の分断、就学前後の切れ目などをつなぐ機能を持たせる構想を盛り込んだ。

第2次提言をまとめた勉強会の共同事務局を務める自見参院議員(左)と山田参院議員

提言案では、こども庁が対象とすべき課題として▽児童虐待、自殺、子供に関わる現場の性犯罪、いじめなどの「命を守るための問題」▽子供の貧困、ひとり親家庭、ヤングケアラーなどの「子供の環境改善に関わる問題」▽窓口一元化、発達障害、教育費負担など「制度・仕組みの問題」――を挙げた。

また、海外の事例などから検討すべき仕組みとして、CDR(子供の死因究明)、DBS(Disclosure and Barring Service、性無犯罪証明)、LMC(産前・出産・産後の継続ケア)、ネウボラ(周産期から就学までのワンストップ相談)、子供会議・子供パブコメ、アドボカシー(子供の立場代弁・擁護・権利実現機能)――などを盛り込んだ。

また「これまで複数の行政で多重的、偶発的に取り組まれていた子供に関する政策についての効果が得られていない」として、PDCAサイクルを機能させる重要性を訴えた。その上で、複数の府省庁や地方自治体などにまたがる情報取集・調査機能や、第三者組織を置いて子供から直接意見を聞く仕組み、発見された施策の課題について改善レポートを作成し、改善を促す仕組みなどが必要だとした。

提言をまとめた勉強会の共同事務局の山田太郎参院議員は「組織論ありきではない」として、「バラバラな国の縦割り府省庁と、子供がいる現場である市区町村・都道府県をつなげる」というプラットフォームとして、こども庁を機能させる構想を提案=図表=。専任大臣を設置することや、強い調整機能権限、子供関連予算の一元的策定と確保などを掲げた。

プラットフォームとして機能する「こども庁」のイメージ(出所:第18回「Children Firstの子ども行政のあり方勉強会」資料)

「各府省庁の中には課題解決、分析を担う部署がある。そこはこども庁と連携する、またはこども庁の中に持つということになるので再編の可能性はあるが、これまでのように、(例えば)文科省のこの部分を切って(こども庁に)置くという発想ではない」と説明した。

議員有志はまた、子供に関する行政を担う地方機関などとの協議の場を設ける必要性を訴え、今後の勉強会を通じて現場の声を聞いていく姿勢を示した。また地方自治体での予算の使われ方について、山田参院議員は「施策ごとにどういう予算が使われて、どういう結果だったのかが、国では分かっていない」として、詳細な調査を進める意向も示した。

今回の勉強会とは別に、自民党の「『こども・若者』輝く未来創造本部」でも近く、「経済財政運営と改革の基本方針2021」(骨太の方針)に反映させるための決議案をまとめる見通し。

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