高校は地域連携による探究の想定を 施設検討部会で提案

令和の学校における学びの空間を議論するため、文科省の調査研究協力者会議の下に設けられた「新しい時代の学校施設検討部会」はこのほど、第3回会合をオンラインで開き、多様な学習活動やカーボンニュートラルへの対応について、事例発表を基にこれからの学校施設に求められる条件を検討した。検討部会委員の赤松佳珠子法政大学教授は、高校では、地域人材が探究型学習に入るような活動を想定した空間の必要性を提案した。

長野県が高校の探究スペースとして描く「クリエイティブラボ」のイメージ

赤松教授は、地域連携や多様な学びを実現していくための学校の空間について、赤松教授を中心に、長野県がこれからの高校施設のコンセプトをまとめた「長野県スクールデザイン2020」などの事例を取り上げた。赤松教授は「高校では地域連携や大学との連携もある。地域連携室やラボのような場所で、一緒に研究や活動をしていく可能性がある」と強調。

「長野県スクールデザイン2020」では、特別教室の周辺に小教室を設け、少人数指導やグループワークなどをしやすくしたり、地域人材と一緒に探究型学習を展開するためのクリエイティブラボや地域連携協働室が位置付けられていたりしていることを紹介した。

また、検討部会の協力者で、文科省のエコスクールなどの検討会の委員を務めていた伊香賀(いかが)俊治慶應義塾大学教授は、学校施設のエネルギー消費は他の施設と比べて冷房よりも暖房によるエネルギー消費量が大きく、照明のエネルギー消費量の比率が大きいなどの特徴があると指摘。その上で、川崎市の小中学校で行った調査の結果から、学校施設環境と子供の学力や体力、学習意欲などは相関関係にあることを示した。

伊香賀教授は「学校施設をちゃんと整えれば、学力や体力も上がる。カーボンニュートラルを一つのきっかけに学校施設が改善されることで、さまざまな波及効果がある。そのためには、やはりきちんとした予算措置を伴う必要がある」と話した。

検討部会では、オンラインなどを活用した現地調査を踏まえ、次回会合で中間報告の骨子案が示される予定で、7月には中間報告が取りまとめられる見込み。

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