小規模高校と大学生つなぐ 地域とキャリアの探究授業

全国の大学生が小さな高校の生徒とつながり、地域づくりやキャリアについて対話する「総合的な探究の時間」の授業がこのほど、愛媛県立内子高校小田分校(藤本昭二校長、生徒59人)で行われた。授業をデザインした内子町地域おこし協力隊で、同校教育魅力化コーディネーターの小田原希実(のぞみ)さんは「これからも大学生が生徒と関われる機会をつくっていきたい」と意気込む。

生徒とオンラインで対話する大学生(内子高校小田分校提供)

生徒数が減少し、2020年度から分校になった同校では、以前から魅力化推進室を設けたり、都市部からの地域留学の受け入れを行ったりして、3年間を通じて、生徒が地域の特色や課題を学び、新しい地域の価値を提案する探究型学習を展開している。

その一環で全校生徒が参加して行われたこの日の授業では、全国各地から12人の大学生や大学院生がオンラインでつながり、生徒はグループに分かれて、それぞれの学生の学問分野についてレクチャーを受けたり、その学問をどう地域の活性化に応用できそうかなどを話し合ったりした。

あるグループでは、建築学を専攻している大学院生に生徒が「小田地区は山が多くて林業が盛んだけれど、林業と建築を生かすなら、どんな可能性がありそうか」と質問を投げ掛け、大学院生は「カーボンニュートラルが叫ばれるようになり、建築でももっと木材を使おうという動きがトレンドになる。都会の人にとって小田地区はとても魅力的。自然しかないという発想ではなく、あるものに注目してみて」などとアドバイスした。

この授業の実現に向けて奔走していたのが、昨年度から同校の地域教育魅力化コーディネーターとして活動している小田原さん。知り合いを通じて大学生に授業の企画を持ち掛け、事前に同校の取り組みや小田地区の課題を説明するなどし、大学生と同校の生徒で問題意識を共有できるように工夫した。

「小田分校に来たときから、こうした授業をやってみたいと思っていた。どの生徒も楽しそうで、もう少し時間があれば、さらに深くディスカッションできたかもしれない。ぜひ、探究や放課後の時間を活用して、これからも大学生が生徒と関われる機会をつくっていきたい」と手応えを感じていた。


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