入試改革に意欲的な大学にインセンティブを 検討会議

文科省の「大学入試のあり方に関する検討会議」はこのほど、第26回会合を開き、主な論点となっている記述式問題や英語4技能の評価の在り方などを巡って、改めて各委員が意見を述べ合った。これまでの会議で、大学入学共通テストへの記述式問題や英語4技能の導入は困難との見方が強まっている中、複数の委員から「記述式導入など入試改革に意欲的に取り組む大学に、インセンティブを付与してはどうか」との意見が出され、最終的な取りまとめに反映される見通しとなった。

同会議は、新学習指導要領に基づく初の大学入試となる2025年からの大学入学者選抜に関し、概要が予告される今夏に向けて入試改革の議論を進めている。この日の会議はオンラインで行われ、主な論点とされている「記述式問題の出題の在り方」や「英語4技能の総合的育成・評価の在り方」「経済的な状況や居住地域、障害の有無等にかかわらず、安心して試験を受けられる配慮」などについて、各委員が自らまとめたメモなどを示しながら改めて意見を述べた。

この中で、益戸正樹委員(UiPath株式会社特別顧問)は「私立大の文系学部で数学を課すという意欲的な取り組みも出ているが、志願者が減ったと聞いている。入試改革には痛みを伴う場合もあり、改革を後押しする意味で、意欲的な取り組みにインセンティブを付与することが望ましい」と述べた。

末冨芳委員(日本大学文理学部教授)も「多くの大学で創発的な取り組みが行われている。記述式や英語4技能などに限らず、経済格差に対応した奨学金支給など優れた取り組み事例を横展開する観点からも、財政措置を含むインセンティブを設けてはどうか」と提案した。

こうした意見を踏まえて三島良直座長(国立研究開発法人日本医療研究開発機構理事長)も「社会に出て役立つことは、大学の改革の中でしっかりやらないといけないことであり、いい取り組みを応援することには私も賛成する」と述べた。

一方、英語4技能の共通テストへの導入は困難との意見が大勢を占める中、吉田晋委員(日本私立中学高等学校連合会会長)は「実際に留学や就職では4技能試験が定着しており、生徒が培ってきた能力を示す権利が生かされないのはどうかと思う。共通テストで4技能試験ができないなら、4技能の学びを反映する問題に作題を改善すべき」と主張した。

会議に途中参加した萩生田光一文科相は「みなさまの立場も異なり、最終的なまとめに入る中で全会一致は難しいと思うが、最大公約数で子供たちにとって何がいいかは共有できると思う。よりよい制度が構築できたという制度に導いていただきたい」と述べた。

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