子供中心の政策実現へ「こども庁」創設を 自民が緊急決議

「こども庁」の創設に向けて自民党が党総裁直属の組織として立ち上げた「『こども・若者』輝く未来創造本部」(本部長・二階俊博幹事長)は6月3日、子供を中心とした政策の実現に向けた「こども庁(仮称)」の創設など4つの提言を盛り込んだ緊急決議をまとめた。子供を取り巻く状況が厳しい中、総合的な調整機能を持つ組織として「こども庁」の創設が必要などとする内容で、6月中に閣議決定される予定の「経済財政運営と改革の基本方針2021」(骨太の方針)に反映させて実現を目指したいとしている。

「こども庁」創設を求める緊急決議をした自民党の「『こども・若者』輝く未来創造本部」会合

3日の会議では冒頭、二階幹事長が「コロナ対策とカーボンニュートラル実現に『こどもまんなか政策』を加えた3本柱で新経済社会対策を確立し、子供関連予算の増額に取り組みたい。活発な議論を期待する」とあいさつした。この後1時間近くにわたる議論の末、4つの提言を盛り込んだ緊急決議がまとめられた。

緊急決議では、子供や若者を取り巻く状況が深刻さを増しているとして、社会の存続に向けて子供のための政策の在り方を抜本的に改革しなければならないと強調。国の責任において子供を真ん中に置いて思い切った予算や人材を投入することが必要と訴えた上で、4つの提言を示した。

4つの提言は、①いじめや虐待、自殺など子供政策に関するデータ収集分析機能の向上②子供や子育て世代が抱えるさまざまな課題への早急な対応③子供政策を実現するための十分な予算確保④「こどもまんなか」の政策実現に向けた総合的な調整機能を有する「こども庁」(仮称)の創設――で、「こども庁」については、担当大臣を置くことを前提に実現に向けて早急に検討を開始するよう求めている。

また、具体的な施策としては、子育て世代への包括的な支援の充実をはじめ、待機児童問題の解消、就学時の学力格差を生じさせず、全体の底上げをする方策の検討、学校現場で課題を抱える児童へのアウトリーチ型のアプローチ導入、相談窓口が連携したワンストップ支援体制づくり、ヤングケアラー支援などを盛り込んでいる。こうした施策を骨太の方針に盛り込んで速やかに実現することを政府に求めるとしている。

緊急決議を受けて、同本部のメンバーがそろって記者会見し、「こども庁」創設の検討に向けて議員有志の勉強会を立ち上げた山田太郎参議院議員は「勉強会の提言がほぼそのまま採用されたことに感謝したい。こども庁の創設が明記されたことは大変大きい」と述べた。

「こども庁」の創設を巡って、議員有志の勉強会が先月28日に「こども庁創設に向けた第2次提言」をまとめ、「子供を産み育てやすい社会の実現」を掲げた。この中では、こども庁が対象とすべき課題として▽児童虐待、自殺、子供に関わる現場の性犯罪など「命を守るための問題」▽子供の貧困、ひとり親家庭、ヤングケアラーなどの「子供の環境改善に関わる問題」▽養育者目線による窓口の一元化、発達障害、就学前後の切れ目など「制度・仕組みの問題」――を挙げていた。

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