内閣府検討会、国の少子化対策を検証へ 「危機的な状況」

内閣府は6月4日、「少子化社会対策大綱の推進に関する検討会」(座長:佐藤博樹・中央大学大学院教授)の初会合を開き、国の少子化対策の指針となる「少子化社会対策大綱」の現状や課題について議論した。現行の大綱について、こうした検証の機会を設けるのは初めて。2020年はコロナ禍の影響などで出生数が過去最少となり、出席した坂本哲志少子化担当相は「危機的な状況」と述べ、検討会に対し、今後の少子化対策の重点項目を整理するよう求めた。

あいさつする坂本少子化担当相(中央)と、検討会の座長を務める佐藤中央大大学院教授(手前)

現在の少子化社会対策大綱は2004年、10年、15年に続き、昨年5月に策定された第4次の大綱で、「希望出生率1.8」の実現に向けて「主体的な選択により、希望する時期に結婚でき、かつ、希望するタイミングで希望する数の子供を持てる社会をつくる」ことを掲げている。その上で結婚を希望する者への支援、仕事と子育てを両立できる環境の整備、男性の家事・育児参画の促進など多様な施策を打ち出している。

しかし新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、厚労省によれば昨年1年間の出生率は84万832人で過去最少、1人の女性が生涯に産む子供の数を示す合計特殊出生率は1.34となった。また昨年1年間の累計妊娠届け出数は87万2227件で、前年同期と比べて4.8%減少しており、経済財政諮問会議などでは今年の出生数が80万人を割り込む試算も出されている。

坂本少子化担当相は「一つの施策のみによって、少子化が劇的に改善することはない。総合的な少子化対策を丁寧に進めることにより、個々人の希望がかなう道を開いていく必要がある」と指摘。委員からは「個人・家庭の選択の自由を尊重し、全ライフステージでの、全ての家庭への子育て支援が求められる」「本当に必要とする人に施策が届いているのか」「少子化社会対策は誰のためにあるのか、立ち返る必要がある」といった声があった。

また新型コロナウイルスの影響について、「コロナは人と人とのつながりを断ち切る。立ち合い出産、里帰り出産もできず孤立が進み、経済的に安定した人でも『今は(出産を)やめておこう』と考えている。経済的に打撃を受けた層は結婚・妊娠・出産を諦めている」との指摘が委員から出された。

検討会は今後、結婚支援、妊娠・出産支援、仕事と子育ての両立支援などのライフステージごとのテーマ、新型コロナウイルスの影響や地方創生などライフステージを横断するテーマを毎回設定し、ヒアリングなどを実施する予定。3カ月に1回程度のペースで会合を開き、来年夏をめどに中間評価を取りまとめる。

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