「各地で同じ基準づくりを」 わいせつ教員対策で文科相

わいせつ行為を行った教員への免許の再交付を授与権者が拒否できる「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」が成立したことを受けて、萩生田光一文科相は6月4日の閣議後会見で、再交付の審査が都道府県単位で行われることに関して、「全国の都道府県教育委員会連合会などと相談し、都道府県に設置される審査会が同じ基準でスクリーニングができる仕組みをしっかり作りたい」と述べ、各地で審査の判断にばらつきが生じないように統一した基準作りを進める考えを示した。

わいせつ教員防止法の成立について記者会見で語る萩生田文科相

わいせつ行為を行った教員を2度と教壇に立たせないことを目指す議員立法「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」が先月28日に成立したことを受けて、各都道府県教委は、わいせつ行為で免許を失効した者が再交付を申請した際、「教員免許状再授与審査会」を設置して意見を聴いた上で再交付を拒否できることになった。しかし、都道府県によって審査会の判断にばらつきが生じる可能性があるとの課題が指摘されていた。

萩生田文科相は会見で、はじめに新法の成立について「政府としての法律案は、憲法の職業選択の自由や更生制度の在り方などの壁があり提案できなかったが、問題意識を共有した議員の皆さんが別のアプローチから法律を作っていただいたことに感謝を申し上げたい」と述べ、改めて歓迎する姿勢を示した。

その上で新法が抱える課題について、「都道府県によって基準が違うと、例えばA県ではじかれた再交付申請者がB県で採用される可能性があり、なぜA県は再交付を拒み、B県は認めたのかという新たな課題が生じる」との認識を示し、「二次的な混乱を防ぐためにも、全国の都道府県教育委員会連合会などと相談して同じ基準でスクリ―ニングができるような仕組みを、詳細に制度設計をしてしっかり作り上げたい」と述べ、各都道府県が同じレベルで審査・判断できるよう基準づくりを進める考えを示した。

新しい法律では、都道府県が設置する審査会の組織や運営に関する必要事項について、文科省が省令で定めることと規定しており、今後、同省では委員の選任者の例や審査のプロセスなども含めた基準作りを進めることにしている。また、同省が児童生徒への性暴力を防止する施策を進めるための基本指針づくりや、わいせつ行為による免許の失効者の情報に関するデータベースを整備することも定められている。


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