保護者7割、体罰届け出ない 「相談しても無駄」が最多

熊本市教委は6月4日、市立学校に通う児童生徒の保護者2万631人を対象にした「体罰・暴言等に関するアンケート」の結果を公表した。昨年度の学校生活で、自分の子供が体罰や暴言の被害に遭ったと答えた保護者は382人と全体の2割を占め、うち7割以上が学校や教委に届け出なかったと回答。理由は「相談しても無駄だと思った」が最も多かった。

調査結果によると、子供が体罰や暴言にあったと回答した382人のうち、73%の280人が教委などに届けなかったと回答。

理由を尋ねたところ、「相談しても無駄だと思った」(34%)、「訴えた後のことが心配だった」(24%)、「子供に止められた」(14%)などが挙がった。「その他」の自由記述欄では、「自分の子供が悪かったから」「学校から説明があり納得した」などの意見があった。

また、他の子供が体罰や暴言に遭うのを見たと回答したのは343人で、全体の2割を占めた。このうち「子供が見た」は271人、「保護者が見た」は72人だった。

目撃した被害を学校などに届けなかったのは311人で、91%に上った。

理由を尋ねたところ、「相談しても無駄だと思った」(38%)、「子供に止められた」(7%)、「関わらないほうがいいと思った」(6%)などが目立った。「その他」の自由記述欄では、「被害に遭った子が公になるのを嫌がった」「自分の子供ではないから」などの意見があった。

さらに、同市教委が独自に設置した、体罰などの被害を受けたときに教委や学校に届け出ができる「相談票」の存在について尋ねたところ、65%が「知らない」と回答した。

これらの結果について同市教委の担当者は「相談票の存在が認知されていない実態や、『相談しても無駄』と思っている人の割合の高さを重く受け止めている」とコメント。「(教委や学校に)相談しても無駄だと思う土壌が根付いてしまっている。それを打開していくのは簡単なことではないが、相談票の広報を工夫するなど、具体的な策を考案し、地道に推し進めていくしかない」と話した。

同調査は今年4月から5月にかけて、小学校1年生を除く、市立小中高、特別支援学校に児童生徒を持つ保護者を対象に、各学校からのメール経由で回答を募った。


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