公立学校の3割が浸水想定・土砂災害警戒区域に 文科省調査

全国の公立学校の水害・土砂災害対策について文科省が初めて行った調査で、全体の約3割の学校が浸水想定区域か土砂災害警戒区域に立地し、要配慮者利用施設に位置付けられていることが分かった。このうち浸水想定区域にある学校の14.9%、土砂災害警戒区域にある学校の21.0%では、法律上義務付けられている避難確保計画が作成されていないことも分かり、萩生田光一文科相は6月8日の閣議後会見で、今年度中に速やかに避難確保計画の作成などを要請する通知を出したことを明らかにした。

この調査は、近年、全国各地で気候変動に伴う水害や土砂災害が頻発し、学校が大きな被害を受けるケースも出ていることから、昨年10月1日時点での全国の公立学校(小中高校、幼稚園なども含む)3万7374校を対象に初めて実施した。

その結果、浸水想定区域に立地し、子供たちが利用することから防災上の配慮が必要な要配慮者利用施設とされている学校が7476校(全体の20.0%)、土砂災害警戒区域に立地し、要配慮者利用施設とされている学校が4192校(同11.2%)あることが分かった。

こうした学校には、法律で避難確保計画の作成や、この計画に基づく避難訓練の実施が義務付けられているが、浸水想定区域の学校で作成しているのは6365校(85.1%)に止まり、14.9%では作成されていなかった。また、避難訓練を実施している学校も5375校(71.9%)にとどまり、3割近くの学校で行われていなかった。

さらに、こうした学校での浸水を防ぐための対策工事の実施状況も調べたところ、実施している学校は1102校(14.7%)、受変電設備の浸水対策を実施している学校も1125校(15.0%)にとどまり、大半の学校ではハード面の対策が行われていなかった。

一方、土砂災害警戒区域の学校では、避難確保計画を作成しているのは3313校(79.0%)で、避難訓練を実施している学校は2832校(67.6%)にとどまった。

文科省男女共同参画共生社会学習・安全課によると、避難確保計画が未作成でも、ほとんどの学校で内容の多くが重なる「危機管理マニュアル」は作成されているが、文科省は同日、改めて各都道府県教委を通して今年度中に避難確保計画の策定と避難訓練の実施を要請する通知を出した。

萩生田文科相は会見で、「各学校や学校設置者等に対し、学校の危機管理マニュアル等の評価見直しガイドラインや、学校施設の水害、土砂災害対策事例集を周知し、ソフト面とハード面の両面から対策が適切に取られるように引き続き支援したい」と述べた。


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