医療的ケア児支援法案が衆院通過 理念や国の責務定める

増加する医療的ケア児の支援を定めた「医療的ケア児支援法案」が6月8日、衆院本会議で全会一致で可決した。法案は参院に送られ、今国会で成立する見通しで、医療的ケア児やその家族への適切な支援について、国と自治体の責務を定め、保育や教育の拡充に向けた施策などを求めている。

法案の提出理由を説明する自民党のとかしき厚生労働委員長(衆議院インターネット中継より)

医療技術の進歩に伴い、人工呼吸器の使用や日常的なたんの吸引などを必要とする医療的ケア児は増加しており、個々の状況に合わせた対応や家族の負担軽減などの課題が指摘されていた。

法案では、医療的ケア児とその家族に対する支援の基本理念を定め、医療的ケア児が、そうでない児童と共に教育を受けられるように、最大限の配慮をすることや、医療、保健、福祉、教育、労働の関係機関や民間団体が相互に連携し、切れ目のない支援を行うことを求めた。

基本理念に基づき、国や自治体は医療的ケア児とその家族に対する支援施策を実施する責務があるとし、保育所や学校などの設置者、放課後児童健全育成事業の事業者に対し、医療的ケア児への適切な支援を行うことを義務付けた。

また、医療的ケア児が、学校で保護者の付き添いがなくても適切な支援を受けられるようにするため、学校の設置者に対して、学校に看護師を配置するなどの必要な措置を行うといった支援体制の整備についても定めた。

文科省によると、全国の幼、小、中、高、特別支援学校には、医療的ケアを必要とする児童生徒が2019年11月時点で9845人いるとされる。一方で、学校で医療的ケアに対応するための看護師は3552人にとどまっている。

関連記事