新時代の学校施設の中間骨子案 現状の教室の狭さを指摘

多様な学びの形態などに対応したこれからの学校施設の条件を議論している、文科省の「新しい時代の学校施設検討部会」は6月8日、第4回会合をオンラインで開き、事務局から提示された、これまでの議論を踏まえた中間まとめの骨子案を検討した。骨子案では、GIGAスクール構想の実現を踏まえると、現状の教室空間は余裕がないことを強調した。

骨子案で示された、新しい時代の学びを実現する学校施設のビジョン

この日示された中間まとめの骨子案では、令和の日本型学校教育の実現やGIGAスクール構想、少人数学級の推進などに伴い、現状の学校施設の課題が山積しているとし、防災や老朽化対策、教室のスペース、空調整備、学校の適正配置などの多様な問題を挙げた。

特に教室の大きさについては、1人1台端末に対応した新JIS規格の教室用机の整備や大型提示装置、充電保管庫などの導入が求められることから、既存の平均面積が64平方メートルの教室では、学級規模によっては空間的な余裕がないと明記した。

また、コロナ禍によってリアルな学校空間の価値の捉え直しが起きているとし、学校施設全体をICTなどを活用した一人一人の多様な学びを実現する場とする、学校施設のビジョンを打ち出した。

文科省では、夏をめどに中間まとめを取りまとめ、来年度予算案の概算要求などに反映させる方針。

さらに、この日の会合では、検討部会協力者で建築士の望月伸一ファインコラボレート研究所代表取締役と、委員の伊藤俊介東京電機大学教授が発表を行った。

人口動態を踏まえた学校施設の整備について発表した望月氏は、実際の小学校を例に、学級数は変わっていなくても、教室の用途替えなどで大きなコストが発生していると指摘。「学校施設が将来の変化に対して柔軟に対応できるようにする必要がある」と述べた。

さらに、従来の学校整備は出生数を基に、その年に生まれた子供が小学校に入学する6年程度の見通しで計画を立てるため、中長期的な人口の推移や地域外からの人口流入・流出、マンションなどの開発動向を反映しにくい構造になっていると指摘した。

学校の多目的スペースの活用状況について説明した伊藤教授は、多目的スペースの活用は「他のクラスに迷惑がかからないか」という教員の意識や、スペース内の家具の置き方などが影響することを紹介。

「本来は、組織全体の変革を目指すことが多目的なオープンスペースの狙いだった。積極的に教育を個別化していくなどの組織文化があれば機能するが、個人の教師だけでそういうことをやりたいときには、かえって抑制してしまうのかもしれない。教師個人が授業変革や試行錯誤をしやすい空間へのアプローチも必要ではないか」と問題提起した。

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