【GIGA到来】2学期に利活用状況調査を検討 文科省会議

多くの自治体で1人1台端末の整備が完了し、利活用に向けた取り組みが始まっている状況を踏まえ、文科省が設置した「GIGAスクール構想に基づく1人1台端末の円滑な利活用に関する調査協力者会議」は6月9日、初会合を開き、今年9~12月をめどに利活用状況調査を行う案を示した。調査で端末の活用実態を把握した上で、円滑な利活用に向けての考え方や参考情報を今年度内に整理する。

「GIGAスクール構想に基づく1人1台端末の円滑な利活用に関する調査協力者会議」の初会合(オンラインで取材)

冒頭あいさつした文科省の塩見みづ枝学習基盤審議官は「利用の実態について、地域によってばらつきがあるのではないか、必ずしも十分に活用されていないのではないか、という厳しい指摘もある。それぞれの学校でいかに効果的に活用できるか、実態を把握し、現場に取り組んでいただく方策はどうあるべきか、発展的な利活用の在り方はどうあるべきか議論したい」と述べた。座長には東原義訓・信州大学名誉教授を選出した。

端末の利活用状況調査は、小中高50~60校を対象に抽出で行う案が示された。調査項目は利用している学習場面、使用頻度や時間、使用する端末の機能などを検討する。併せて文献調査、ヒアリング調査を行う方向性も示した。

こうした調査の結果を踏まえ、1人1台端末環境を積極的に利活用していくための基本的な考え方や、クラウド活用、教師のICT活用指導力向上など管理運営・指導上の具体的な取り組みと留意事項、家庭への持ち帰りなど学校から端末を持ち出す際の留意事項などについて、今年度内の可能な限り早期に整理するとしている。

初会合では利活用状況調査について、委員からさまざまな意見が出された。調査方法については「環境面、活用面でも自治体間の差がかなり出ている。抽出調査で行う場合、(先進地域に偏らないよう)さまざまな地域で50~60校を抽出する必要がある」「調査は複数回行い、活用できていない学校がなぜできていないかを把握して、改善策を提示することが望ましい」という声があった。

また高校関係者からは、「高校では1人1台の環境が実現していない学校も多く、生徒のスマホや保護者負担で購入した端末を使用している。自治体負担での整備とは状況が異なるため、(小中学校と)同様の調査は難しい」という指摘もあった。

調査項目については、教員が感じている「敷居の高さ」や、教員研修の頻度、持ち帰り時の活用内容、連絡など学習指導以外での活用状況、技術・ルール上の制限の状況、情報活用能力の育成につながる活動の実施状況、アカウント管理の状況などを盛り込むべきだという意見が出された。

学校や教育委員会の関係者からは端末活用の現状について、「カリキュラムの遅れが心配で、『試しにやってみる』ということができない」「授業の記録を取りたい人と取りたくない人がいる」「一番困っているのは持ち帰りの問題。家庭に持ち帰って何をさせるのか、イメージが持ちにくい」「効果的に使おうという意識が強すぎて、使うことを躊躇(ちゅうちょ)する先生が多い」など、現場目線の意見も報告された。

東原座長は「学校現場の生の声を聞くと、正直まだなかなか、というところもたくさんある。この会議の成果が役立つようにしたい」とコメントした。

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