廃棄物で作品つくりSDGs学ぶ 新渡戸文化小でPBL

環境やサスティナビリティについて、手を動かし、つくりながら学ぶ――。東京都中野区の新渡戸文化小学校(杉本竜之校長、児童363人)で6月7日、廃棄物となって出されたさまざまなマテリアルから新たなものを生み出すプロジェクト型学習がスタートした。4年生を対象にしたこのプロジェクト型学習は、同校の図工を担当する山内佑輔教諭が発案。廃棄物の新しい使い方を創造し、循環ビジネスの構築や商品化を手掛ける「モノファクトリー」とコラボレーションして行った。

「まだ使えるのになんで捨てられたのかな?」と児童ら

同社の中台明夫氏は児童らに、ペットボトルなどの資源ゴミが出された後、どこに行っているのかを質問。児童らが「どこだろう……」と考え込んでいると、「みんな、モノを買う時はどこで買うか知っているけれども、モノを捨てた後はどこに行っているのか、よく分からないよね」と語り掛けた。

その後、日本の廃プラスチックの多くがこれまで中国に輸出されていたこと、しかし2017年に中国が主に生活由来の廃プラスチックの輸入を禁止したことから、現在はその多くがマレーシアやベトナムなどの東南アジア諸国に輸出されるようになっていることが伝えられた。児童らは東南アジア諸国の住宅街の川が、日本や欧米諸国からの廃プラスチックで埋め尽くされている映像を見て、大きな衝撃を受けていた。

中台氏は「今、東南アジア諸国が富裕国のゴミ捨て場になっている」と話し、「モノの一生は、捨てた後も続いている。捨てた後の世界を考えよう」と呼び掛けた。

ここでワインのコルク栓、ドアストッパーやネジの部品、さまざまなひもなど、同社に毎日持ち込まれる廃棄物のごく一部が、きれいに分別された状態で児童らに見せられた。中には新品同様のアクセサリーやビーズ、クリップ、缶バッヂなどもあり、児童らからは「なんでこんなものを捨てるんだろう?」と疑問の声が上がった。

「ここにあるのは、大人が使い切ろうと思って頑張ったけれども、使い切れなかったもの。でも、みんなだったら、もっといいものに生まれ変わらせることができるんじゃないかな?」と中台氏は問い掛けた。

さまざまな廃棄物を使ってアイデアを出し合っていた

そこから児童らは、①ボンドやのりは使えない②ペンや鉛筆も使えない③授業の終わりには元の分別された状態に戻す——という条件のもと、「これらの廃棄物をさらに価値のあるものにするには、どうしたら良いか」を、それぞれ考えた。

その後、例えばネジの部品をきれいに並べてオブジェのようなものを作ったり、ワインのコルク栓とビーズをひもでつないでアクセサリーにしたりするなど、試行錯誤しながらさまざまなアイデアを表現していた。

最後に、中台氏は「同じモノが、同じモノにリユースされるとは限らない。そこに必ずアイデアが入り、違うものに生まれ変わる。そういう表現をどんどん試してほしい」と語った。

今後は、これらの廃棄物を使って、児童一人一人がキャラクターを作って作品に仕上げていくという。山内教諭はこの日の授業を振り返り、「まず子供たちにいろいろな素材と触れ合ってほしかった。こうした造形遊びの時間が、作品づくりに入ったときの発想を豊かにしてくれる」と話した。

児童らの作品は、最終的にはサスティナビリティの実現に取り組む「イノベーションデザイン」が手掛ける渋谷スクランブルスクエアのポップアップ店舗で、展示販売される予定となっている。

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