名古屋市の端末使用停止 「子供のショックが心配」

愛知県名古屋市で、個人情報保護条例の問題からGIGAスクール端末の使用を当面停止する方針としたことについて、萩生田光一文科相は6月11日、「こういうことが、新学期が始まった上で出てきたことは、すごく残念だ。子供たちはショックもあるのではないかということで心配している」と話し、対応を急ぐよう求めた。

萩生田文科相は「文科省としてはICT端末の利用における個人情報の取り扱いに関し、GIGAスクールを1年で一気に前倒すことを決めた段階から、累次にわたりガイドラインに示してきた。今年3月には、GIGA元年を始めるにあたって改めて局長通知を行い、先月末に改定した『教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン』においても、各自治体の個人情報保護条例などに基づき、適切な運用を行うよう周知してきている」と述べた。

そのため「1年間の準備期間の中で、このことは条例変更するか、あるいは条例はそのままにして、学校として『匿名前提だが、子供たちの履歴はクラウド上に保管をする』ということに保護者の同意を得るか、どちらかをどこの自治体も必ずやっているはず」と苦言を呈し、市への対応を促すとともに、「文科省として必要に応じて状況の把握をしていきたい」と話した。

GIGAスクール構想による1人1台端末の整備は、今年3月末までに96.5%の自治体で完了しているが、名古屋市では現時点で、整備が完了された小中学校は全体の45%にとどまっており、整備完了は今年度2学期を予定している。萩生田文科相はこうした遅れについても懸念を示し、「子供たちへの配布を1日も早く進めていただけるようにお願いしたい」と強調した。

名古屋市ではすでに配布された端末について、トラブル対応などの目的から個人の操作ログをサーバー管理者が確認できるようにしていたが、今週9日の市議会で本人からの承諾を得たり、目的を明示したりしないままこうした情報を取得していることが、市の個人情報保護条例に抵触するのではないかとの指摘があった。

名古屋市の担当者によれば現状、個人情報保護条例に抵触するかどうかの確認を進めているといい、抵触の恐れがあると判明した場合には、全ての保護者に対し説明文書を出すなどの対応を検討している。担当者は「一刻も早く使用を再開できるよう対応したい」としている。


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