こども庁創設構想「実効性が大事」 萩生田文科相

来年度予算の編成方針に反映される「骨太の方針」の原案に、いわゆる「こども庁」構想を受け、新たな行政組織の創設が盛り込まれたことについて、萩生田光一文科相は6月11日の閣議後会見で、「教育から福祉までを全部そこでやることが本当に可能なのか」などと疑問を投げ掛けた上で、「実効性が大事だと思う。何が子供たちにとって一番いい方法なのか、間違いがないように見極めていきたい」と述べ、子供たちのためになるかどうかを判断基準としながら、現実的に対応するべきだとの考えを明らかにした。

こども庁創設構想について見解を述べる萩生田文科相

「骨太の方針」(経済財政運営と改革の基本方針2021)の原案は、政府が6月9日の経済財政諮問会議(議長・菅義偉首相)に提示したもの。子供・子育て支援として、「こども庁」創設を求める自民党の決議などを踏まえ、「年齢による切れ目や省庁間の縦割りを排し」た形で、新たな行政組織の創設を明記した。これに先立ち、加藤勝信官房長官は6月8日の記者会見で、検討体制の準備を進めていることを明らかにした。

こうした新たな行政組織の創設について、萩生田文科相は「文科省としては、福祉との連携を図りながら、一方で教育の一貫性、継続性を確保した形で対応する必要があると考えている」と述べ、学習指導要領を中核に就学前から小中学校、高校などの接続を図っていく「教育の一貫性」が重要だとの考えを強調した。

その上で、「骨太の方針」の原案が、新たな行政組織の創設によって、妊娠・出産から新生児期、乳幼児期、学童期、思春期まで「切れ目のない対応を図る」としていることについて、「切れ目のない支援は大事」としながらも、「『こども庁』と仮称の役所を作って、0歳から18歳は教育から福祉までを全部そこでやることが本当に可能なのか。18歳から19歳へは切れ目があっていいのか。そういうことも含めて大きな議論をしていかなければならないのではないか」と、疑問を投げ掛けた。

さらに「いずれにしても教育の一貫性は大事。文科省以外の役所でもいいんだということであれば、それが子供たちのためになるのなら、一つの方法だと思うけれども、やっぱり現実に照らしてやっていく必要があるのではないか」「実効性が大事だと思う。政府全体として、こういう方向を示しているので、私は別に反対でも何でもない。文科省として積み上げてきた知見やさまざまなデータも披露しながら、何が子供たちにとって一番いい方法なのか、間違いがないように見極めていきたいと思っている」などと言及。子供たちのためになるかどうかを判断基準としつつ、現実を踏まえた実効性のある行政組織の在り方について検討を進めるべきだとの考えを示した。

「骨太の方針」の議論に関連して、萩生田文科相は5月14日に開かれた経済財政諮問会議に出席し、幼稚園や保育所などの施設形態に関わらず、全ての5歳児を対象に就学前教育を提供する「幼児教育スタートプラン」を進める考えを提起している。


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