休校が母親の就業率を押し下げ 男女共同参画白書で分析

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う昨年の一斉休校が、未就学・小学生の子供を持つ既婚女性の就業率を長期にわたって押し下げた可能性があることが、内閣府が6月11日に閣議決定した男女共同参画白書で分かった。子供がいない既婚女性の就業率への影響は、コロナ禍以前の水準まで回復している月もある一方、未就学・小学生の子供のいる既婚女性では、学校が再開した昨年6月以降、同12月までマイナスの水準で推移している。

子供がいない既婚女性と、未就学・小学生の子供のいる既婚女性の就業率への影響(出所:内閣府「令和2年度男女共同参画社会の形成の状況及び令和3年度男女共同参画社会の形成の促進施策」)

この分析は内閣府の「コロナ下の女性への影響と課題に関する研究会」で、山口慎太郎構成員(東京大学大学院経済学研究科教授)らが、国の労働力調査のデータを基に実施したもの。配偶者のいる女性は、自身で家計を支えなければならないシングルマザーと比べ、求職をあきらめ、家庭の維持や子供の世話に専念する道を選ぶケースが多いことが指摘された。

学校再開後もこうした非労働力化が続いている理由として、内閣府の担当官は「その後の夏休みの時期の対応なども考え、そもそも求職をやめ、夫の収入だけで家計を維持していくという選択をしている可能性がある」と推測する。こうした状況は家計を悪化させるとともに、労働市場での男女共同参画を阻むおそれがある。

山口構成員は研究会の席上、「休校してしまうと、子供のケアをするために就業が続けられないという状況が起こってしまうし、そして、それは学校を再開しても残ってしまうということが気掛かり」と指摘し、「休校や保育所の閉鎖はできるだけ避けたい。これぐらい副作用があるのだということは踏まえておいた上で、意思決定すべきだ」と提言した。

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