学校のオンライン教育環境を年内に整備 骨太方針を閣議決定

政府は6月18日夕、臨時閣議を開き、来年度予算の編成方針となる「経済財政運営と改革の基本方針2021」(骨太の方針)を決定した。教育関連では、いわゆる「こども庁」構想を受けた新たな行政組織の創設に向けた検討に着手することや、GIGAスクール構想の一環として、災害時にいつでもオンライン教育に移行できる学校のICT環境を年内に整備することを明記。わいせつ教員対策として性犯罪歴がないことを証明するDBS制度や、中学校の35人学級への移行についても検討項目に挙げた。GIGAスクール構想や35人学級など学校の教育環境と指導体制については、進捗(しんちょく)状況と今後の工程管理を年内に示すことを盛り込んだ。

基本方針は、同日夕の経済財政諮問会議(議長・菅義偉首相)で了承され、続いて開かれた臨時閣議で閣議決定された。この方針に沿って各省庁は来年度予算の編成作業を本格化させ、財務省に対して8月末までに概算要求を行う。

基本方針では「ポストコロナ期の持続的な成長基盤を作っていかなければならない」と目標を設定。こうした成長を生み出す原動力として「グリーン社会の実現」「デジタル化の加速」「地方の所得向上」「子供・子育て支援」の4分野を挙げ、これらへの投資を重点的に行う考えを示した。

このうち、子供・子育て支援は、(1)結婚・出産の希望をかなえ、子育てしやすい社会の実現(2)未来を担う子供の安心の確保のための環境づくり・児童虐待対策--の2項目で構成されている。

いわゆる「こども庁」構想については「子供の貧困、児童虐待、重大ないじめなど子供に関するさまざまな課題に総合的に対応する」ため、「年齢による切れ目や省庁間の縦割りを排し」た体制の構築を明記。「こうした機能を有する行政組織を創設するため、早急に検討に着手する」と打ち出した。

わいせつ教員対策についても、懲戒処分を受けた教員への免許の再交付を拒否することができる「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」が先の国会で成立したことを受け、保育士にも同様の対応を検討する。さらに、民間の教育・保育施設なども含めた「子供を守ることができる仕組み」の構築に向け、子供と接する仕事への就職を希望する人に性犯罪歴がないことを証明する英国のDBS(Disclosure and Barring Service)制度のような海外の先進事例を踏まえて、検討を進めることを盛り込んだ。

続いて、経済・財政一体改革を取り上げる中で、デジタル化に対応する文教・科学技術の改革を説明。GIGAスクール構想や小学校全学年での35人学級導入について「教育効果を実証的に分析・検討する」ことを前提として、「中学校を含め、学校の望ましい教育環境や指導体制の在り方を検討する」との表現で、中学校の35人学級への移行を検討項目に挙げた。

GIGAスクール構想による学校のICT環境整備については「災害等が生じた場合にいつでもオンライン教育に移行できる態勢を年内に全国で整える」と書き込み、1人1台端末と通信環境の整備を今年12月末までに終えるという目標期日を明示した。

その上で、GIGAスクール構想や35人学級など学校の教育環境と指導体制については、進捗(しんちょく)状況と今後の工程管理を年内に示すことで、「教育の質の向上と学習環境の格差防止に取り組む」としている。

経済財政運営と改革の基本方針2021(骨太の方針)における教育分野のポイント
[こども庁構想]

年齢による切れ目や省庁間の縦割りを排した体制を構築する、と説明。「こうした機能を有する行政組織を創設するため、早急に検討に着手する」として、新たな行政組織の立ち上げを明記。

[学校のICT環境整備]

「災害等が生じた場合に、いつでもオンライン教育に移行できる態勢を年内に全国で整える」として、1人1台端末と通信環境の整備を終える目標期日を今年12月末に設定。

[わいせつ教員対策]

民間の教育・保育施設なども含めた「子供を守ることができる仕組み」を構築するため、英国のDBS制度のような海外の先進事例を踏まえて検討を進める。

[中学校の35人学級]

小学校の35人学級の教育効果を検証した上で、「中学校を含め、学校の望ましい教育環境や指導体制の在り方を検討する」と説明。中学校の35人学級を検討項目とした。


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