日本は3つの「間」が不足 子供の外遊び推進を政府に提言

子供が安全に外で遊べる環境を整えるべきだとして、子供の発達などに関わる研究者や企業団体による「子どもの健全な成長のための外あそびを推進する会」は6月18日、「子どもの健全な成長のための外あそび推進に関する国会議員勉強会」と共に、加藤勝信官房長官に提言書を出した。日本では生活環境の変化によって、子供の外遊びに必要な空間、仲間、時間の3つの「間」が不足しているとし、公園や保育所、学校、地域などで外遊びを推進するよう、「こども庁」が主導して府省庁横断の取り組みを促すことを求めている。

加藤官房長官に提言書を手渡すメンバー(子どもの健全な成長のための外あそびを推進する会提供)

提言書では、子供の心身の成長や脳の発達、非認知能力などの育成で、外遊びは大きな効果が期待できるものの、近年の地域や家庭の変化、保育士や教員自身に外遊びの経験が少ないことなどにより、日本では子供の外遊びの環境を確保することが難しくなっていると指摘。国が主導して、子供関連政策を総合的に担当することが予定されている「こども庁」を中心に、包括的な取り組みが実施される必要があるとした。

具体的には、学校や保育所の校庭の開放や公園の整備を進めるとともに、NPOなどによる外遊びをサポートする人材の育成や、保護者、地域の意識変革の必要性などを盛り込んだ。

提言書の提出を前に、衆議院第一議員会館で開かれた記者会見で、国会議員勉強会のメンバーである自民党の小倉將信衆院議員は「まさにこども庁が子供の外遊びの推進のために、横串に政府を主導する組織として適任だと考えている。こども庁が外遊びを主導すべきであるし、こども庁の重要な業務の一つとして外遊びにしっかり取り組むべきだ」と強調した。

また、推進する会のメンバーで、男子陸上400メートルハードルでオリンピックに出場した為末大Deportare Partners代表は「今年の夏にオリンピック・パラリンピックが開催されるが、今のままではトップ選手を育てる仕組みは残っても、多くの子供たちが体を動かす仕組みは残らない。社会全体が享受するレガシーが大切なはずだ。外で遊ぶ環境を子供たちに残してあげることが、一つのレガシーになる」と呼び掛けた。