VRやドローンを教材に 修学旅行に代わる体験型探究授業

新型コロナウイルスによる緊急事態宣言で修学旅行に行けなくなった生徒に最先端のテクノロジーを体験する学びをしてもらおうと、東京都立大江戸高校(金澤正美校長、生徒615人)で6月17~18日、仮想現実(VR)やドローンを教材にした特別授業が行われた。3年次の生徒は17日に修学旅行で訪問する予定だった沖縄県の海を水中ドローンによるVRで疑似体験した後、18日には小型のドローンを実際に操作して、ドローンを活用して社会課題を解決するアイデアを話し合った。

小型ドローンの操作に挑戦する生徒ら

同校の修学旅行は例年、2年次に行われていたが、昨年度は新型コロナウイルスの影響で実施できず、3年次の6月に延期されていた。ところが、それも3回目の緊急事態宣言でやむを得ず中止となってしまった。修学旅行に代わる学びを何かできないかと検討した結果、VRによるバーチャル修学旅行のプログラムを提供するワールドスキャンプロジェクトと連携し、今回の特別授業が実現した。

初日、生徒らはVRゴーグルを装着して、水中ドローンを使って360度撮影したVRの世界を体験。第二次世界大戦で沖縄の海に沈んだ潜水艦をさまざまな角度で観察しながら、戦争と平和について考えた。

続く2日目は、グループごとに小型ドローンが配られ、実際に操縦する体験会が行われた。最初は予想外のドローンの動きに戸惑っていた生徒らも、30分ほどすると空中に安定させて、思い通りの方向に自在に操作できるまでになり、クラス対抗のドローンレース大会も行われた。

その後、生徒はこれまでの体験を踏まえ、ドローンを活用して国連の持続可能な開発目標(SDGs)に関連した社会課題を解決するアイデアを、ブレーンストーミングで出し合い、プレゼンテーションした。

2日間にわたってファシリテーション役を務めたワールドスキャンプロジェクトの井上創太シニア・アドバイザーは「言葉と言葉を組み合わせて0から1を生み出すのがビジネスだ。君たちもアントレプレナーシップ(起業家精神)を持って、高校生活の中でFunnyだけでなくInterestingを見つけ、新しいことに挑戦し続けよう」と生徒にメッセージを贈り、授業を締めくくった。

ドローンを使った社会課題の解決策を考える生徒

授業を受けた生徒は「VRで普段とは違った視点で戦争や歴史を考えることができて、ある意味ですごくリアリティーを感じた。実際の修学旅行には行けなかったけれど、すごく楽しかった」「ドローンは初めて触ったので、うまく飛ばせなかったが、クラスの仲間と協力したり、仲を深めたりできた」などと感想を話した。

ワールドスキャンプロジェクトとの連携を提案した吉田典文主幹教諭は「引っ込み思案な生徒も積極的に自ら学びに向かっていた。体験や感動も大事だが、それをどう学びにつなげるかが重要だ。VRやドローンの体験をワークショップで振り返りながら、考えを深められていたことに大きな意義がある」と手応えを感じていた。


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