外国人学校の保健衛生環境調査 養護教諭の配置は35%

外国人学校の保健衛生の在り方を検討している、文科省の有識者会議が6月23日開かれ、外国人学校の保健衛生環境に関する実態調査結果が公表された。新型コロナウイルス感染症への基本的な対策はほとんどの学校が行っていたが、養護教諭の配置は全体の35%にとどまっていることなどが分かった。また、調査対象のうち回答があったのは約半数で、文科省は「未回答の学校とも関係性を構築して、保健衛生環境の整備を支援したい」としている。

オンラインで行われた外国人学校の保健衛生環境を検討する有識者会議

外国人学校の児童生徒や教職員の間でもクラスターの発生が確認されたことを受け、同省は今年4月23日から5月24日にかけて、全国にある外国人学校161校を対象に初めての実態調査を実施。80校(各種学校認可校72校、無認可施設8校)から回答を得た。

新型コロナ対策として実施していることについては、「登校前の検温等、健康状態の適切な把握」が76校(全体の95%)、「教室等の常時換気」が77校(同96%)、「課外活動でリスクの高い活動の一時制限」が72校(同90%)などと、ほとんどの外国人学校で一定の対策が取られていた。自由記述でも「保護者・学外者の校内立入制限」や「科や学年をまたいだ生徒児童の接触防止」など、各校が独自に感染症対策に取り組んでいる状況が浮かび上がった。

一方、一般的な保健衛生などに関する対策でも、「保健室の設置」が60校(同75%)、「衛生管理基準の策定」が69校(同86%)と多くの学校で一定の対策が取られていたが、「学校医の配置」は45校(同56%)、「養護教諭の配置」は28校(同35%)にとどまった。

この調査結果について、オチャンテ・村井・ロサ・メルセデス委員(桃山学院教育大学人間教育学部准教授)は「回答数が調査対象の半数にとどまっているのが気になる。未回答の学校に対しては、どんなアクションを考えているか」と質問。文科省の氷見谷直紀国際課長は「重要な点だと思う。これまで関係性がなかったので戸惑いもあったのかもしれない。関係性を構築して、保健衛生環境の支援につなげていきたい」と述べた。

また、浅野明美委員(全国養護教諭連絡協議会会長)は「養護教諭がいなくても学校医が常駐して対応していると受け止めていいのか、分からない面がある。どんな体制が取られているのか、さらに具体的に調査をしてほしい」と要望した。

こうした意見も踏まえて座長の佐藤郡衛・明治大学国際日本学部特任教授は「今までなかった実態調査が初めて行われたことは大きい。全ての外国人の子供の命と健康に関わることをサポートするのが、この会議の趣旨であり、中長期的な視点で保健衛生環境の整備をどう支援していくか、引き続き議論したい」と締めくくった。


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