部活動は平日含め地域移行を 経産省研究会が第1次提言

地域スポーツクラブを産業として育成し、学校の部活動の地域移行に向けた受け皿とする可能性を検討してきた経産省の「地域×スポーツクラブ産業研究会」は6月25日、第1次提言を公表し、地域スポーツクラブを軸にした新しいスポーツ環境に向けたポイントを提示した。提言では文科省に対し、学校の部活動は「社会教育」であることを明確にし、土日だけでなく平日も含めて地域移行する必要性を指摘した。

地域スポーツクラブを軸にした新しい社会システム像に向けた提言(経産省HPより

スポーツクラブの経営者や世界陸上選手権銅メダリストの為末大Deportare Partners代表取締役CEOら、スポーツ関係者で構成された同研究会は昨年10月に立ち上がり、これまで10回にわたる議論を行ってきた。中間まとめとして位置付けられる第1次提言は今後、スポーツ庁のスポーツ審議会における第3期スポーツ基本計画への反映も視野に入れる。

提言では、欧州をモデルに、日本でも無償ボランティアではないサービス産業としての地域スポーツクラブを育成し、教員への過度な負担や少子化によるメンバー不足の問題を抱えている学校の部活動に代わる受け皿となることを打ち出した。

その実現に向けたポイントとして、文科省が学校の部活動を「学校教育の一環として、学習指導に位置付けられた活動」としていることが、地域移行を考える学校や受け皿となる地域スポーツクラブにとって、判断の際のネックになっていると指摘。文科省に対し、部活動が社会教育であることを明確にし、学習指導要領から部活動の位置付けを外すこと、2023年度から段階的に進めるとしている土日の部活動の地域移行について、平日も含めて実施することを提言した。

関連して、中央競技団体や中体連、高体連などが連携し、中高生のスポーツ競技大会を部活動単位から切り離し、さまざまなチームが参加できる世代別大会にすべきだとした。

提言ではこの他に▽地域スポーツクラブの指導者は原則として有資格者とし、学校の教員も兼職・兼業を可能にする▽学校の運動施設・社会体育施設を民間が活用して収益を確保する▽サービス業としての地域スポーツクラブが部活動の受け皿となれば、受益者負担の増加が不可避であることから、世帯収入格差が子どものスポーツ機会の格差につながらないようにする――などの施策も盛り込んだ。

経産省は来年春に最終提言を取りまとめる予定で、今後、第1次提言で描いた内容の実現可能性を調査するフィージビリティ・スタディに着手する。近日中に、自治体や事業者向けに、このフィージビリティ・スタディの公募も実施する。

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