休校が格差拡大を裏付け 行事中止が非認知能力に影響

昨年の新型コロナウイルスによる休校は、教育格差を拡大させた――。日本財団と三菱UFJリサーチ&コンサルティングは6月29日、保護者に対して行ったウェブ調査の分析結果を公表した。世帯収入や成績によって、学校外の勉強時間の差が学校再開後に拡大したほか、中止や縮小となった学校行事が、子どもの非認知能力や生活習慣に影響を与えていることが裏付けられた。

学校行事の中止・縮小と非認知能力・生活習慣等に与えた影響

同調査は、新型コロナウイルスによる休校や学校行事の中止などが、子どもにどのような影響を与えていたかや、家庭の経済状況によって違いがあるかなどを明らかにするために、日本財団と三菱UFJリサーチ&コンサルティングが共同で行った。

その結果、平日1日当たりの勉強時間を見ると、どの世帯年収の家庭の子どもでも、全国的な休校が行われていた昨年5月時点では総勉強時間が減少していた。しかし、年収800万円以上の高所得層では、学校外の勉強時間が大きく増加しており、学校が再開された今年1月も高止まりしている状態にあり、学校外の勉強時間で家庭の経済力による差が広がっていた。

学校の成績別に見ても、上位層は学校外の勉強時間が増加・高止まりしている一方で、下位、中位層はあまり変化がないなど、同様の傾向が見られた。

また同調査では、学校行事の中止・縮小が「自分自身に自信を持てていた」「難しいことでも前向きに取り組めていた」などの子どもの「非認知能力」や、生活習慣に与えた影響も分析。特に小学生では、運動会や球技大会が非認知能力、友達と遊ぶ頻度、心身の健康に、修学旅行と移動教室が学校生活や生活習慣、心身の健康に対して負の影響をもたらしていることが明らかとなった。

さらに、休校期間中の昨年5月に学校から双方向形式のオンライン授業が行われていた場合、どの年収の世帯でも勉強時間の減少が抑制される傾向にあることも分かった。ただし、双方向形式のオンライン授業を受けたのは、年収800万円以上の家庭では13.4%だったのに対し、400万円未満の世帯では3.3%にとどまったことや、2019年度の成績が下位だった場合、勉強時間の推移には大きな違いが見られないことも指摘された。

これについて、調査を担当した三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林庸平研究員は「臨時休校中、勉強時間に有効だったのは双方向形式のオンライン授業で、オンデマンド教材や自主学習教材はあまり効果がなかった。平時からそうしたインフラを整備し、平常時でもこうした機器を活用していくことが必要だ。一方で、学力が低い子どもには必ずしも効果があるわけではない。一律に支援を届けるのではなく、支援が必要な子どもには、個別指導などのきめ細かな対応も求められる」と説明した。

この共同調査は今年3月に、小学生から高校生の子どもがいる保護者4000人に対し、インターネットで実施。世帯の経済状況や子どもの休校状況、学校行事の実施状況などを聞いた。

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