円滑な幼小接続が格差解消の鍵に OECD保育白書が指摘

経済協力開発機構(OECD)は6月29日、OECD幼児教育・保育白書第6部(Starting Strong VI: Supporting meaningful interactions in early childhood education and care)を公表した。そこでは、幼児教育・保育を教育の出発点と位置付け、発達段階に合わせたカリキュラムにより小学校との円滑な接続を図ることが、質の高い幼児教育や格差解消につながることを指摘。文科省はこうした調査結果を、同省が打ち出した「幼児教育スタートプラン」の具体化に向けて活用したいとしている。

今回の報告書は2017年から20年にかけて行われた調査研究プロジェクトの成果をまとめたもので、OECD加盟国中26カ国・41地域が参加。幼児教育・保育施設での資格要件や労働環境のデータを分析し、幼児教育・保育施設での保育者や他の幼児との交流、家庭や地域との関わりなどの質が、幼児の学び・育ちを支える鍵となることを指摘している。

そうした交流や関わりの質を向上させるには、カリキュラム上で家庭やコミュニティーとの関わり、小学校段階との目標の共有などを明確に位置付けることや、それに応じた養成課程・研修の機会を提供すること、保育者が幼児の家庭と強固な関係を築くこと、労働環境の整備や待遇改善により、質の高い人材を確保することなどが重要だとしている。

日本の状況について分析した箇所では、「カリキュラムの基準は、自発的な活動を通じた学びを促進するものとなっている」と評価。一方、保育者の能力開発のための研修時間が十分でない可能性があると指摘し、幼稚園、保育所、認定こども園などの施設種を問わず、「全ての保育者が遊びを通した教育実践を具現化できるよう、さらなる支援が必要」とした。

文科省は、小中学校における1人1台端末環境や小学校での35人学級を実現することを踏まえ、こうした学習環境に全ての子供が格差なく接続できるようにする「幼児教育スタートプラン」を策定。施設種にかかわらず、全ての5歳児に生活・学習の基盤を保障する「幼保小の架け橋プログラム」や、地域での教育・福祉の連携強化、保育者の確保・資質能力向上などを目指す。

萩生田光一文科相は同日の閣議後会見で、幼小接続の重要性を指摘した今回の報告書に言及。「文科省としても考えを同じくするもの。今後こういう国際調査の成果も活用して、幼児教育スタートプランの具体化を進め、国内施策の充実を図るとともに、国際的な幼児教育の質の向上にも貢献していく」と述べた。

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