新時代の学校施設ビジョンを提示 検討部会が中間報告素案

GIGAスクール構想をはじめとする、これからの学びに対応した学校施設の考え方を議論している文科省の「新しい時代の学校施設検討部会」はこのほど、第5回会合をオンラインで開き、中間報告の素案について検討した。素案では、令和の日本型学校教育における学びの姿を実現する上で学校施設に求められる機能や、防災、脱炭素化への対応など、今日的な学校施設を巡る課題を整理し、新時代の学校施設のビジョンを表すキーコンセプトとして「Schools for the Future」を掲げて、5つの目指すべき姿を示した。

中間報告の素案で示された新時代の学校施設のビジョン

今年1月の中教審答申やコロナ禍、GIGAスクール構想の進展によって、これからの学校は多様な学びが展開されることを視野に、素案では、学校施設という実空間の価値を捉え直す必要性を指摘。一斉授業を前提とした画一的な教室空間からの脱却や、避難所としての防災機能の強化、地域人口の推計を基にした学校の適正規模・適正配置の課題などを挙げた。

その上で、新時代の学びを実現する学校施設のビジョンを提示し、そのキーコンセプトとして、未来思考で実空間の価値を捉え直し、学校施設全体を学びの場として創造する「Schools for the Future」を掲げ、それに向けた▽学び▽生活▽共創▽安全▽環境――の5つの姿を打ち出した。

特に学びでは、個別最適な学びや協働的な学びを実現するために、連続的、一体的な空間の設計や、余裕教室を活用した教室サイズの変更、ロッカースペースの配置の工夫など、柔軟に対応できる創造的な空間を整備する必要があると強調。教室に隣接するオープンスペースの活用や「クリエイティブルーム」「アクティブラーニングルーム」「STEAMコモンズ」といった、特定の教科にとらわれない探究型の学びなどを想定した空間を設けることを提案した。

また、児童生徒の健康、快適な学校生活への配慮や、学校を地域の拠点、生涯学習の場として機能させ、学校と地域の連携を生み出す共創空間を意図した構造とすること、避難所としての防災機能を強化するために、自家発電設備やWi-Fiの整備、バリアフリー対応を進めること、脱炭素社会の早期実現に向けて、学校施設の省エネルギー化や再生可能エネルギーの導入を積極的に推進していくことを盛り込んだ。

この日の議論では、参加した委員から「安全に関して、防犯の観点がほとんど言及されていない。災害や事故と並んで、防犯は学校安全の課題として意識しておいた方がよい」「GIGAスクール構想の端末はスペックが低いので、従来のコンピューター教室に代わって高いスペックのPCを十数台置くような空間も考えられる」「これまでは、家具は備品として扱われ、空間と連動して重要なものとはなっておらず、別の部署が別の論理で発注していた。これからは、施設と一体的に家具を選べるような仕組みが必要だ」などの意見が出た。

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