共通テストの問題を評価 高校から今後の検討求める声も

今年初めて実施された大学入学共通テストについて、大学入試センターは6月29日、各教科・科目の問題について、高校の教員や教育研究団体からの意見などを基にまとめた問題評価・分析委員会報告書を公表した。共通テストの狙いの一つである思考力を問う内容になっていたという好意的な評価がある一方で、一部の教科・科目の問題では今後の検討を求めるコメントも見られた。

報告書は1月16、17日に実施された1回目の試験と、1月30、31日に実施された2回目の試験の各教科・科目ごとに▽高校教育関係者から成る外部評価分科会で、高校の教科担当教員の意見・評価として委員から提出されたもの▽全国的な教育研究団体に対して、センターが意見・評価の提出を依頼し、回答が寄せられたもの▽問題作成部会の自己点検に基づく見解――で構成。各問題について、内容・範囲や、分量・レベル、表現・形式について分析した。

「世界史B」では、高校教員からの意見として、資料の扱い方や資料の改ざんをテーマとする出題が、歴史は資料によって構築された歴史事象であることを受験生に気付かせる、メッセージ性の強いものであったと評価した。

その一方で、設問自体が生徒の能力を適切に判定するものになっているのか、冷静に分析する必要があるとも指摘。一部の問題で単純な読み取りが出題されており、それらの問題は知識問題との組み合わせで一つの設問となっていたとして、こうした問題は知識問題と読み取り技能の問題を分けて出題すべきだとした。

「化学」では、複数解答組み合わせ問題や複数正誤組み合わせ問題が出題され、正答率の低下や受験生の負担増となるため、見直しを求める意見があった。

また、英語について意見・評価を行った全国英語教育研究団体連合会は、将来的には、AI技術などを活用して、リーディング試験の中ではリーディングとライティングを、リスニング試験の中ではリスニングとスピーキングを、それぞれ測定することを検討するのを提案。民間試験の利用は評価基準が複数になることから、公平性を担保する上で課題があるが、共通テストで評価を一本化すればこの問題は解決されるとした。

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