教科書会社が利益供与を虚偽報告 60校で126件確認

高校用教科書を発行する「第一学習社」(本社・広島市)が、文科省が2016年に教科書採択に関する不公正行為などについて調査を行った際、関係者への利益供与について過少に虚偽の報告をしたことが分かり、同省は7月6日、最終的な利益供与の件数について調査結果を公表した。不公正な利益供与は21都道府県の60校で計126件確認され、文科省は同社に調査結果を伝えるとともに、今後の対応について報告を求めた。

同省教科書課によると、「第一学習社」は同省が2016年に教科書採択の公正確保のために各教科書会社に行った調査で、教師用の教材を無料で提供するなどの利益供与について41校57件と報告していた。しかしその後、匿名の通報を受けて事実関係を確認した結果、同社が利益供与の一部を隠ぺいし、虚偽報告をしていたことが分かり、関係する都道府県教委などを通じて改めて詳しい調査を進めていた。

文科省が6日に公表した調査結果によると、同社の最終的な利益供与は21都道府県の60校で計126件に上ったことが分かった。ただし、利益供与があった時期は2016年以前で、いずれも教科書採択に不公正な影響を与えたと認められる事案はなかったとの報告を受けたという。

教科書検定に関する不公正な行為を巡っては、国は2017年、教科用図書検定規則第7条に「不公正な行為が行われた場合に、関係する申請図書を不合格とする措置」を設けたが、今回の行為は規定が設けられる以前に行われているため適用の対象にならない。

同省は6日、同社に対して今回の調査結果を伝えるとともに、会社としての今後の対応について報告を求めた。また、各都道府県教委や教科書発行者に対して、今回の事案を周知するとともに、教科書採択の公正確保の徹底を引き続き図ることを求める通知を出す方針。

第一学習社は今回の調査結果について、取材に対し、「現時点ではお話しできないが、文科省から求められている対応について社内で協議して報告した上で、その内容をホームページで公表したい」とコメントしている。

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