「改めて通学路をしっかり見て声を」 合同点検を要請

千葉県八街市で下校途中の児童5人が死傷した事故を受けて、文科省は7月9日、都道府県教委などに小学校の通学路の合同点検を実施して危険箇所をリストアップし、道路管理者や警察と連携して安全対策を進めるよう求める通知を出した。通学路の点検はほとんどの自治体で毎年行われているが、今回は特に車の速度が上がりやすい場所や、保護者や住民から改善要請があった箇所などを重点的に点検するよう求めている。萩生田光一文科相は同日の閣議後会見で、「可能なものから速やかに実施してほしい」と呼び掛けた。

通学路の合同点検の実施について述べる萩生田文科相

合同点検の対象となるのは、全国の市町村立小学校の通学路で、国立・私立の小学校などについても学校設置者の判断によっては実施される。通学路の安全対策を巡っては、2012年4月に京都府亀岡市で登校中の児童ら10人が死傷した事故の後、文科省などがまとめた安全確保推進策を受けて、全国の自治体で危険箇所を指定し安全点検を進めているが、八街市の事故を踏まえて、さらに踏み込んだ点検を求めた。

具体的には、▽見通しのいい道路や幹線道路の抜け道になっている道路など車の速度が上がりやすい箇所、大型車の進入が多い箇所▽過去に事故に至らなくてもヒヤリハット事例があった箇所▽保護者、見守り活動者、地域住民等から市町村への改善要請があった箇所――などの観点で、危険箇所をリストアップするよう求めている。

作業の進め方は、まず各学校で保護者や自治会などと協力して危険箇所をリストアップして市町村教委に報告し、各教委は9月末をめどに学校や道路管理者、地元警察と調整して合同点検を実施、対策が必要な危険箇所を抽出する。さらに市町村教委と学校は10月末をめどに対策案を検討・作成し、道路管理者や警察に要望する。

具体的な対策としてはガードレールや歩道の設置など予算が必要なものも想定されるが、通学路の見直しや児童と保護者への周知など、学校でできる対策については可能なものから速やかに実施するよう求めている。

萩生田文科相は会見の中で、「今までもここは危ないと指摘されながら、何らかの理由で対策が途切れてしまったこともあったと思う。今回はそこをきっちり深掘りして、関係省庁とも連携しながら対応策を考えるという、ワンランク上の支援策をしようと国が踏み込んだので、改めて通学路をしっかり見て声を上げていただきたい」と述べた。

一方、国交省と警察庁も9日付で、全国の出先機関や各都道府県警察本部に対して、学校や教育委員会と連携して通学路の合同点検の実施や、実効性のある安全対策を進めるよう求める文書を出した。

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