緊急事態宣言下の大会やコンクール、実施要請を通知 文科省

新型コロナウイルス感染症への対策で7月12日から東京都に4度目の緊急事態宣言が発令されることに関連し、文科省、スポーツ庁、文化庁は7月9日、学校教育活動の一環として行われる部活動の大会やコンクールについて予定通り実施するよう求め、都道府県教委などと関係団体に通知した。萩生田光一文科相は同日の閣議後会見で「感染予防への配慮は前提だが、基本的には全国大会等々は予定通り実施させていただきたい。修学旅行も子供たちにとって、かけがえのない貴重な思い出となる。特段の配慮をお願いしたい」と述べ、緊急事態宣言下での大会やコンクール、修学旅行の実施に理解を求めた。児童生徒の県境を越えた移動で予定外の費用がかかる場合には、財政的な支援を行う考えも示した。

緊急事態宣言下での大会実施に理解を求める萩生田文科相

スポーツ庁と文化庁の通知では、東京都と沖縄県に緊急事態宣言が8月22日まで発令されることを受け、大会やコンクールの開催に向けて「一層の感染防止対策の徹底」を求めた上で、「部活動の大会やコンクールは、生徒にとって日頃の活動の成果を発揮できる貴重な機会。十分な感染防止対策を講じた上で、できるかぎり実施していただきたい」として、緊急事態宣言下であっても予定通り実施することを求めた。日本中学校体育連盟(中体連)や全国高等学校体育連盟(高体連)、全国中学校文化連盟、全国高等学校文化連盟などに宛て、9日付で発出した。

文科省の通知では、感染力が強い「デルタ株」の拡大を受け、学校や給食センターなど関連施設での感染防止策の徹底を改めて求めた。

続いて、部活動における留意事項として、「一部の部活動で、練習や試合に付随する飲食等の行動が原因と思われるクラスターが発生している。不十分な対策による感染拡大の事案が今後も発生すれば、他の地域や学校等の部活動や大会の実施にも影響を与えかねない」と、強い警戒感を表明。

同時に「これから大会やコンクールが多く開催されることや生徒の心情等を考慮し、緊急事態宣言の対象区域及び重点措置区域に属する地域における部活動の実施に当たっては、一律に中止とするのではなく、(中略)これまで以上に感染症対策を徹底し、感染症対策と部活動の両立を図り、生徒が安心して練習や大会等へ参加する機会を確保していただきたい」として、緊急事態宣言下であっても、感染対策を徹底しながら、部活動を継続するよう求めた。

運動時のマスクについては、「呼気が激しくなる運動を行う際や、気温・湿度や暑さ指数(WBGT)が高い日には、十分な呼吸ができなくなるリスクや熱中症などの健康被害が発生するリスクがある」として、感染対策をしながらマスクを外すことを改めて伝えた。

こうした通知に先立ち、萩生田文科相は「感染症対策の徹底を図った上で、生徒の貴重な成果発表の機会となる部活動の大会等については、(東京都に緊急事態宣言が発令される)来週以降もできる限り開催していただくとともに、参加に向けた日常の練習などの活動についても継続できるようご配慮いただきたい」と述べ、緊急事態宣言下での部活動の継続に理解を求めた。

修学旅行についても「子供たちにとってかけがえのない貴重な思い出となる。実施の判断に当たっては、教育的意義や児童生徒の心情等を踏まえ、特段の配慮をお願いしたい」と述べ、各学校や学校設置者に感染防止策を講じた上で予定通り実施するよう要請した。

部活動の大会の実施に伴う感染リスクについて、萩生田文科相は「この間、何度も緊急事態やまん延防止措置の期間を経て、大学生の部活動ではクラスターはいくつか散見された。だが、中学生や高校生の部活動では、練習や大会を通じたクラスターの報告は、実際には多くは受けていない」と説明。

ただ、高校生の部活動では、宿泊先で生徒がはしゃいだことや、合唱コンクールに向けてマスクを外して練習したことが原因でクラスターが発生したとみられるケースが報告されていることから、「宿泊などでは問題があったので、環境をしっかり保ってほしい。吹奏楽では音楽室ではなくて体育館で練習をするとか、現場で工夫して、子供たちの発表の機会を失うことがないようにしてほしい」と述べ、感染予防を徹底しながら、大会やコンクールを予定通り開催するよう求めた。

また、全国大会に出場するための県境をまたいだ移動に感染リスクがある場合を考慮し、「列車の方が(交通費が)安いでしょうけれども、例えば、バスなどでの移動を求めていきたい。まだ調整中だが、財政的な支援も考えていきたい」と、児童生徒の移動に伴って予定外の費用がかかる場合には、財政的な支援を行う考えも示した。

さらに「緊急事態宣言になった自治体からだけ、代表者を出せないことがないように、関係団体は協力して対応してほしい、というのが今日の通知の大きな趣旨」とも説明。部活動の全国大会やコンクールが予定通り開催されても、緊急事態宣言が発令される東京都や沖縄県の代表者だけが参加できないような事態が起きないよう、大会関係者に配慮を求めた。

菅義偉首相は7月8日、新型コロナウイルス感染症対策本部会合を官邸で開き、まん延防止等重点措置を適用中の東京都に4度目の緊急事態宣言を7月12日から発令すると決定した。11日に期限を迎える沖縄県の緊急事態宣言と、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県のまん延防止等重点措置も延長する。期限はいずれも8月22日まで。記者会見した菅首相は、判断の理由として、感染力が強い「デルタ株」の拡大に対する警戒を挙げ、「再度東京を起点に感染拡大を起こすことは絶対に避けなければならない。予防的措置を講じる」と強調した。


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