全国のグーグル教育者グループが実践発表 GEG APAC開催

アジア太平洋地域全体のGEG(グーグル教育者グループ)が参加して行う教育技術ワークショップ「GEG Asia-Pacific Connect」が、このほどYouTubeでライブ配信された。日本語によるオンラインライブは3日間で15本配信され、日本各地のGEGグループが「Google for Education」を活用した実践事例や、グループの活動などについて発表した。

石巻市立河南東中学校が行った「GIGA効果検証生徒用アンケート」

GEGとは、地域の教育者がオンラインやオフラインの交流を通じて共に学び、情報を交換し、互いを高め合うためのコミュニティーで、日本には現在57拠点ある。

「GEG Ishinomaki」は、「ニューノーマル時代に学び続けるための学習システムの構築」をテーマに、宮城県石巻市立河南東中学校の教諭が同校での実践事例を紹介。同校では新型コロナによる昨年度の休校期間中から、Google for Educationのツールを活用して学習支援を行ってきた。

この4月からは1人1台のタブレットが配布され、各教科でグーグルクラスルームを活用し、協働学習が行われている。数学の授業で活用している教諭は「確率の授業でスプレッドシートを使ったことにより、実験データの分析が大幅に時短でき、生徒の思考時間を確保することができた」と話す。

さらに生徒総会もツールの活用によりペーパーレス化。資料の印刷や製本する時間が削減されただけでなく、総会内容に関する質問や生徒会活動に対する要望をグーグルフォームで入力するようにした。「普段はなかなか意見を言えない生徒も、自分の意見をフォームに入力できたのは大きなメリット」と強調。生徒総会の当日も、全校生徒1人1人が自分のタブレット端末を使用し、総会資料のPDFデータを見ながら参加したという。

また、3月と6月には現在の2年生と3年生を対象に「GIGA効果検証生徒用アンケート」を実施。1人1台端末になる前と後を比較検証したところ、例えば「タブレットやコンピュータ、電子黒板などを使った授業をもっと受けてみたいと思うか?」という質問に対しては、「たいへんそう思う」が3月より6月の方が大幅に増加し、授業での活用効果が現れているという。

その他にも、校務処理でも各ツールを活用して会議の時間短縮や組織の見える化を図るなど、学校改革でも活用を進めている。今後について「これから起こり得るトラブルについて教員間で情報共有しておくことが重要だ。まだ試行段階なので、できる範囲内で最大限の工夫をしていく姿勢が必要」と話した。

また、2月に立ち上がった「GEG Nerima」は、東京都練馬区内の保護者らも巻き込んで区内のICT活用を盛り上げてきた、これまでの活動について報告した。

GEGに参加するメリットを語る「GEG Nerima」のメンバー

グループの活動に継続的に参加している同区の小学校教諭は、GEGに参加するメリットについて、まず情報の共有ができたことを挙げる。「例えば欠席フォームも、先に作った学校のフォームを共有してもらい、自分の学校用に少し手を加えるだけでできた」と振り返る。

これまでは学校内での共有に留まっていた授業での活用方法についても、区内の多くの学校の実践を共有することができ、「失敗も含めて、たくさんの新しい学びを知ることができた」と強調する。例えば「作文をドキュメントで作りたいけれど、どうすればいいか?」と投げ掛ければ、仲間から次々とアドバイスがもらえることで、お互いの実践を高められたという。

GEG Nerimaでは、リーダーの同区石神井台小学校の二川佳祐教諭のリードにより、金曜日に「スプレットシート講座」や「ドキュメント講座」などの勉強会が定期的に開催されている。勉強会に参加する教諭は「各ツールの使い方が分かれば、授業で使いたくなる」と話し、教師自身が学ぶことができる点もメリットとして挙げていた。

メンバーからは「今年は導入初年度なので、たくさんの失敗を繰り返しながら、どう使っていくかを学んでいるところだ。今後は使い方の話から、学習のためにどうするかという目的の話にしていきたい。ICTは手段の一つ。今までの学習感を変えるためのツールとして使えるようになればいい」と今後の抱負が語られた。

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